投稿作品59作品
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「ごめん。」
そう言って、泣きそうな顔で私を見つめている。
「もう、キミとは一緒にいられない。」
待って、待ってよ。
どうしてなの?
そう思っているのに、口が動いてくれない。
「俺もキミも、もう子供じゃないんだ。昔みたいに笑うことなんてできないよ。」
“もう子供じゃない”。
そう聞いた瞬間ズキリ、と...glow
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「あ……乗り遅れた…」
最悪だ。今の電車を逃したら、また少し待つようになる。
今日は運が悪いみたいだ。
溜め息が出そうになった瞬間、内側から何かが刺してくるような頭痛がした。
思わず頭に手を当てると、
『明日は雨が降るよ。』
急に耳元で声のような音が聞こえた。
「誰…?」
呟いて周りを見渡す。
誰も...イカサマライフゲイム
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「あ、あの…私――君のこと好きです!」
「そう。」
「あ、えっと…」
「それだけ?……じゃあ、僕は帰るから。」
後ろから泣き声が聞こえる。
僕は関わらないで欲しいだけなのに。
勝手に傷付いて、僕を恨んで。
途中で忘れ物をしていることに気付いた。
思わず溜め息が出る。
めんどくさいけど、それが無いと宿...心臓デモクラシー
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希望なんて無い、ただあるだけの世界。
間違いだらけの正しくない世界。
こんなものもう必要ないだろ?
久しぶりに“箱庭”を歩く。
上では大きな画面の中偉い政治家か何かが必死で話している。
周りの人は何も知らずに忙しなく歩いていく。
口論しているのか、怒鳴り声も聞こえる。
「うるさいな……」
周りの雑音...メカクシコード
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―私は非現実を愛する狂った科学者に造られた。
「うん。やっぱり『お前』は素晴らしいよ。」
私を造った彼女は、目を輝かせながら画面に触れる。
「こんな夢のない毎日を繰り返す汚れた奴らと違って。」
そう言って、彼女は蔑んだ冷たい目を窓の外に向けた。
興味がないモノに向ける目。
私はこの目が嫌いだ。
もし...人造エネミー
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―僕には叶えたいことがあったのに…
「お前には無理だよ。」
「お前なんて嫌いだ。」
周りの人が僕を見て笑う。
チクリ、と何処かが痛んだ気がした。
―やっぱり、僕には叶えられないんだ。
そう思うと泣きたくなってきた。
一人になりたくて、家に帰ることにした。
家の扉を開けると、靴を脱ぎ捨てて部屋まで走っ...ヒステリ
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「私は別の世界から来たの。だから、私はアナタ逹みたいなただの人間じゃないの。私は特別なの。」
目の前の少女はいきなり電波的なことを口に出した。
遠くから転校してきたという彼女は、自分は人間じゃないと言い出した。
見た目は美人で、さっきまでは周りの人が、「お人形さんみたい」、「仲良くなりたい」とか、好...俺と君の居場所
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8月15日。
今日は朝から天気がいい。
むしろ良すぎるくらいだ。
太陽がギラギラと僕の身体を照らす。
汗が頬を伝う。
今日は今年一番の暑さだか何だか知らないが、勘弁して欲しい。
病気になりそうなほど眩しい日差しに呟いた。
そんな汗だくの僕と違って彼女はそんなに汗をかいてない。
それどころか、黒猫の頭...カゲロウデイズ
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「レンきゅん、足!足をもっと動かして!!」
「……………。」
「ちょっ、動き止めたら意味無いじゃん!!」
「…ダンスやるなんて聞いてない。」
「あれ?言ってなかったけ?…それよりさっきの動きは、もっとこう…」
「うるさい!!」
「れ、レンきゅん……?」
「何でこんなことやんなきゃいけないんだよ!!勝...仕事③
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―もう戻れないのかな?
「僕がずっと前から思ってる事を話そうか。」
『君』に向ける言葉を語る。
『君』には届かないけど…
「友達に戻りたいんだ。」
こんなことになるなら、友達のままでいたかった。
特別な関係なんて望まなければよかったんだ。
…そうすれば、まだ君と一緒にいられたのに。
「今日はこっちの...天ノ弱
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「………眠い……」
激しく扉を叩く音で目が覚めた。
外はまだ真っ暗だ。
時計を見ると、1時になったばかりだ。
一体こんな夜中になんの用なの?
「おはよ、ミク。」
「…………」
何のんびり挨拶なんてしてるのよ。
…って、私の今の格好見せたくなかったんだけど。
髪ボサボサだし…...【ミク誕生祭】
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「髪伸びたんじゃない?」
「………。」
「おい。」
めーちゃんが持っていた雑誌で頭を叩いた。
「痛っ!!…めーちゃん何するの?」
「返事しないアンタが悪いの。」
「え~…」
反論しようと思ったけど、睨まれたからやめた。
怖いし。
「…で、めーちゃん何?」...髪 ver.魔熊
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最近暑い日が続いている。これはチャンスだと思った。
「あのさ、“二人”で海に行かない?」
隣に座っていたグミが目をキラキラさせてこっちを見る。
「海?」
「そう、海。」
「行く!絶対行く!!」
グミと海に行くことが決まった。
やった!!
……何で?
俺の目の前にはグミの兄弟がいる。...海 ver.魔熊
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君は何に悩んでいるの?
私には分からないよ。
だから教えて。
「ねぇ、最近私歌ってないんだけど。」
「………。」
「だから、私歌いたいの。」
「………。」
彼は何も言わない。
私の話を聞いているのか分からない。
「ねぇ、聞いてる?」...My little hart
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―好きだよ、ハニー
夢を見た。
とても楽しい夢だった。
触れられるはずのない君の夢。
「夢なら覚めないままで良かったのに…」
溜め息が出た。
無性に君に会いたくなった。
パソコンの電源を入れる。
ただ、それだけの行為にドキドキする。
画面に君が現れる。...惨事のハニー
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「ぐふっ!!」
お腹に物凄い衝撃を感じて飛び起きた。
「お兄ちゃん、おめでとう!」
痛くて上手く息が出来ない。
怒りを感じていたけど、笑顔で言われたら、許すしかない。
可愛いし。
「…あぁ、グミ。おはよう。」
「おはようじゃなくて、おめでとうって言ったの。」
?おめでとう?
「グミ、よく分からんが…...【がくぽ誕生祭】おめでとう!!