「ぐふっ!!」

お腹に物凄い衝撃を感じて飛び起きた。

「お兄ちゃん、おめでとう!」

痛くて上手く息が出来ない。
怒りを感じていたけど、笑顔で言われたら、許すしかない。
可愛いし。

「…あぁ、グミ。おはよう。」

「おはようじゃなくて、おめでとうって言ったの。」

?おめでとう?

「グミ、よく分からんが…まずどいてくれないか?」

実はさっきから、グミの右手が俺のあばら骨を潰そうとしている。
ゴリゴリしてマジで痛いから!!

「ご、ごめんなさい。…でも、お兄ちゃんがなかなか起きないのが悪いんだよ?」

「す、すまん。」

何で謝ってるんだ、俺?

「お兄ちゃん、今日何の日か分かる?」

起きてすぐ聞かれても…

「…特に予定は無いが。」

「ハァ…」

溜め息つかれた!?

「ルカさんが下に来てるから、早く降りてきてね。」

そう言って、グミは立ち去ってしまった。
一体何なんだ?

「そうだ!ルカ殿が来てるんだ!急がなければ!!」

ルカ殿が自分から訪ねてくるなんて、今日は何なんだ?











「ルカ殿、おはよう。」

「おはよ。」

何かルカ殿はさっきから、そわそわしている。
具合でも悪いのだろうか?

「ルカ殿、トイレはあっちにあるぞ。」

「ち、違うわよ!バカ茄子!!」

バカ茄子!?
何で怒られたんだ…

「る、ルカ殿?」

「はい!これ!」

いきなり、渡されたのは紫色の紙袋。

「?これは?」

「知らない!帰る!!」

「ちょ、ルカ殿!!」

怒らせてしまった。
折角ルカ殿が来てくれたから、一緒に出掛けようと思ったんだが……失敗してしまった。

「お兄ちゃん、まだ分からないの?」

さっきの会話を聞かれていたのだろう。
グミが呆れたような顔をしていた。

「…分からん。」

「ルカさんからもらったでしょ?」

これのことか?

「開けなよ。」

「うむ…」

少し緊張する。
丁寧に開けると、そこには…


茄子の刺繍の入ったハンカチ。


そして、小さな紙に
『誕生日おめでとう』
と書いてあった。


「あ。」

…思い出した。
今日は俺の誕生日だ。

「グミ、ちょっと出掛けてくる!!」

「ご飯の時までに帰ってきてね。」












最近ルカ殿と会った時、指を怪我していた。
最初は人差し指だけだった。
でも、会うたびに指の怪我が増えていて心配だった。
大丈夫?って聞くと、

「大丈夫に決まってるでしょ。細かい所まで見ないでよ。」

笑って、答えてた。

あの綺麗な指を怪我してまで俺の為に作ってくれた、と思うと、嬉しくて笑みがこぼれる。
…それなのに、俺は忘れていた。

まだ「ありがとう。」も言ってない。











走って、走って、やっと彼女の姿が見えた。

「ルカ殿!!」

「!?」

振り向いた彼女の目は赤かった。
泣いていたんだ。

「すまん!!」

全力で頭を下げた。

「がくぽ…」

「ルカ殿の気持ちも考えずに…」
「良いの。がくぽは、今日何の日か分かったんでしょ?」

「あぁ…」

「それなら、がくぽが謝るなんておかしいよ。」

思わず、見とれた。
さっきまで泣いていたのに、それが嘘のように綺麗に笑ったから。

彼女の言う通り、彼女にかける言葉は謝罪じゃない。

「ルカ殿、ありがとう。」

「うん、おめでとう。がくぽ。」

俺達は、手を繋いで家に帰った。





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【がくぽ誕生祭】おめでとう!!

HappyBirthday!!

口調とかキャラがいまいちつかめなくて、投稿遅れた(^^;
ギリギリセーフ!!

閲覧数:147

投稿日:2011/07/31 23:51:30

文字数:1,446文字

カテゴリ:小説

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