やりのこしたことが有るわ　夏休みもあと半分
もう無理だと知ってるけど　どうしたって諦められない

可愛い鞄みつけたの　貯金箱にはお小遣い
まだ袖さえ通していない浴衣
アドレス帳に初めての　電話番号登録して
いつでも君を呼び出せる
どこへでも


「明日なんて空いてるかな」　軽いノリの電話をする
一つ返事「いいよ」なんて　迷いのない君が羨ましい

お化粧なんか知らないわ　ヘアピンだけのお洒落して
袖を通すの着慣れない浴衣
お財布持って下駄履いて　待ち合わせ場所先回り
「待たせてごめん」「今来たの」なんて


夏の音　近付いて神社の階段
駆け上がる君の背を追い掛け手を握ったよ


くじびきも　わたあめも　全部全部楽しもう
神様のプレゼント　今だけのロスタイム
一等賞撃ち落とし　おおはしゃぎする君の
背に顔を押し当てて　泣きながら笑ってた


やりのこしたことが有るわ　もう全部は無理だけれど
せめて一つ　たった一つ　どうしたって諦められない

しじまに消える祭囃子　街へと向かう人の波
どうしようもなく流れてく時間
打ち上げ花火　最後まで　指折り数え　見上げてる
君の隣で私だけが……

夏の音　遠くなる神社の階段
降りて行く君の背に最後の嘘を吐いたよ

また来ようって　何度だって



もう帰らなきゃ　さよなら
言い忘れてた　大好きだよ





・よみ

やりのこしたことがあるわ　なつやすみもあとはんぶん
もうむりだとしってるけど　どうしたってあきらめられない

かわいいかばんみつけたの　ちょきんばこにはおこづかい
まだそでさえとおしてないゆかた
あどれすちょうにはじめての　でんわばんごうとーろくして
いつでもきみをよびだせる
どこへでも

「あしたなんてあいてるかな」　かるいのりのでんわをする
ひとつへんじ「いいよ」なんて　まよいのないきみがうらやまし

おけしょうなんかしらないわ　へあぴんだけのおしゃれして
そでをとおすのきなれないゆかた
おさいふもってげたはいて　まちあわせばしょさきまわり
「またせてごめん」「いまきたの」なんて


なつのおと　ちかづいてじんじゃのかいだん
かけあがるきみのせをおいかけてをにぎったよ


くじびきも　わたあめも　ぜんぶぜんぶたのしもう
かみさまのぷれぜんと　いまだけのろすたいむ
いっとうしょううちおとし　おおはしゃぎするきみの
せにかおをおしあてて　なきながらわらってた


やりのこしたことがあるわ　もうぜんぶはむりだけれど
せめてひとつ　たったひとつ　どうしたってあきらめられない

しじまにきえるまつりばやし　まちへとむかうひとのなみ
どうしようもなくながれてくじかん
うちあげはなび　さいごまで　ゆびおりかぞえ　みあげてる
きみのとなりでわたしだけが

なつのおと　とおくなるじんじゃのかいだん
おりてゆくきみのせにさいごのうそをついたよ

またこようって　なんどだって



もうかえらなきゃ　さよなら
いいわすれてた　だいすきだよ