王宮の暮らし慣れてきた頃、庭でお互いの花冠を作っていた二人は、兵士たちがなにやら騒いでいるのに気づきました。
少女が向こうから走ってやってくる鎧をつけた兵士に尋ねました。
すると兵士は、
「化け物だ!!海に巨大な化け物がいる!」
と叫びました。
少年と少女は走って海へと向かいました。
海に着くとあたりは野次馬であふれ返っていました。背の低い二人は全く海を見ることができません。
すると少女は少年の手を引いて、野次馬から離れるように走り出しました。少女は毎日のように海に来ているので、あまり人の寄ってこないような穴場をたくさん知っているのでした。
やがて、二人は海が一望できる場所にやってきました。海を見渡すとそこにはとてつもない光景が広がっていました。
広い大海原の真ん中に、ひときわ巨大な影がありました。40㍍はあろうかと思われるその影は、常にくねくねと動いて、荒波を起こしています。そして、時折「にゃー!!」とか「わおーん!!」などという叫び声も聞こえてきました。
どこかで見たことのあるようなその巨大に少年は目を凝らしました。
(!!!)
少年は驚いて言葉がでませんでした。なんとその化け物の正体は、超巨大化したあのタコの魔女だったのです。魔女は以前少年が出会ったときよりはるかに大きくなっていました。
少年は超巨大タコをおとなしくさせる方法を考えました。そのとき、少年の頭の中に姉が昔教えてくれたことを思い出しました。
「昔はね、海の中が平和でありますようにって、毎年マグロを一匹捧げていたの。以前はとても美しい女神がそのマグロを取りに来てたんだけど、突然タコに横取りされてしまったの。それから何度捧げてもタコが横取りしていくから、マグロを捧げるのは中止にしたの。そのころには信仰心も薄れてたしね」
少年は思いつきました。あの超巨大タコにマグロを捧げれば静まるのではないかと考えたのです。
しかし、誰かに頼もうにも少年は声がでません。少年は迷いました。
少女は少年が決意したような表情をしているのに気づき、何ともいえない不安に駆られました。少年がどこかに行ってしまうと思ったのです。少女は少年の手を強く握りしめました。
しかし少年は寂しそうに笑って、少女の手を離しました。そして少女を抱き寄せてその額にキスをし、突き放すようにして海に飛び込んでいきました。
少女は少年を止めることができず、うつむいて座り込んでしまいました。
海の中で少年は人魚の姿に戻っていました。もう少女に会うことはできないかもしれません。それでも少年は少女が愛し、自分に優しくしてくれた国の人たちを救うことに決めたのです。
少年は視界をにじませながらも必死にマグロを探しました。
そしてふよふよと泳いでいたマグロをひっつかんで、超巨大タコの元に急ぎました。
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