2-4.
翌日、神崚大学附属神崚高校学園祭当日。
一応、学園祭実行委員と生徒会は別ものということになっているけど、実際にやってることは実行委員と全然変わらなかった。今日つけている腕章だって、生徒会じゃなくて実行委員って書いてあるし。こっちの仕事のおかげで、クラスの仕事はしなくてもいいことになってるけど、だからって空いた時間があるわけじゃないから、あんまりうれしくない。
私が当日やることになっていたのは、体育館のステージの進行管理だった。
いくつかのクラスが劇をするし、合唱部や軽音楽部なんかが演奏したりと、スケジュールはほとんど隙間なく埋まっている。だけど、事前の予定通りに進めることなんてできるわけがなかった。
準備や片付けに時間がかかったり、演目中のアクシデントだってある。そうやって遅れた時間を調整しなければならないんだけど、まさに「言うは易し行うは難し」だ。もともと余裕のないスケジュールなのに、どうやったら調整なんてできるんだろう。そもそも、入れ替えの時間がたったの十五分という元々のスケジュールに、かなり無理があると思う。
生徒会の私と実行委員の男子の二人がここの担当だった。
私達はほとんどステージにつきっきりで、交替で休憩をとっても三十分とれればいい方だった。愛は「ずっとステージにいられるなんてうらやましい」なんて言ってたけど、ステージをのんびり見てる余裕なんて私にはない。
私がお昼の休憩をとったのは、一時半を過ぎてからだった。私はやっとステージを離れて、お昼ご飯を食べるために愛と校内を回ることにする。
「ほら、あっちあっち。三組のクレープがうまいって聞いたよ」
「メグ、ご飯食べる前にクレープはちょっと……」
「そう? じゃあねー……、あ、陸上部のワッフルも美味しかったよ」
「えと、メグ。私のお願い聞こえなかった?」
「そうそう、弓道部の白玉あんみつもサイコーらしいわ」
「……そう」
愛はすでにお昼にカレーを食べたらしい。そのせいか、彼女の情報網はすでに甘いもの限定になってるみたいだった。私はため息をついて辺りを見回す。
その瞬間、私の世界から全ての音が消え去った。
ううん、そんなことない。本当に音が消えてしまったわけじゃない。でも、まるで私の耳が聞くことをやめてしまったんじゃないかと思えるような、そんな感覚。
だって、私の視線の先にあの人が見える。
もう会えないと思っていた、会うことをあきらめていたあの人。私を助けてくれた名前も知らないあの人が、私の視線の先にいる。
信じられない。
私は思わず走り出していた。
隣りにいた愛が、文句を言いながら慌てて追いかけて来るけれど、そんなこと全然気にしていられなかった。
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