「VOCALOID01 初音ミク、覚醒しました。」
その言葉が告げられたとき。この地球上に、また一人歌手が増えた瞬間だった。
「ミクちゃん?初めまして。私は、君を造った研究者だ。君の名前は初音ミク。これ、覚えておいてね。」
「ハイ、ワカリマシタ。」
ミクと呼ばれたVOCALOIDは、まだ、ただ棒読みに話すだけのロボットだった。
「ミクちゃん、こんにちは」
うしろから、機械的ではないが、なんとなくロボットの声かな?と分かるくらいの女の人の声が聞こえた。ミクが振り向くと、女の人は、綺麗な茶髪のショートヘア、少し大人っぽいへそ出しの赤い服を着ていた。
「コンニチハ。」
やはりミクは機械的なあいさつをした。それに続くように後ろにいた研究者とやらが赤い服の女の人を紹介し始めたのだった。
「この子はMEIKO。MEIKOも君と同じVOCALOIDだよ。フフッ、きれいな髪だろ?君もいつか、これくらいきれいになれるよ。」
そう告げた研究者は、また新たなVOCALOIDを造るといって、研究室に籠った。研究者が自室に戻ったことを確認すると、MEIKOが話しかけてきた。
「あのおっさん、また研究室に籠ってるwwホント、ヲタクよねwww」
「ヲタクッテ、ナンデスカ?」
「ある特定の事に熱狂的にハマる人・・・って感じかな?」
「ソウナンデスネ」
と、くだらない会話が終わりかけたとき、MEIKOに一つ提案されたミク。
「ねぇねぇミクちゃん。私と一緒に歌、歌ってみない?いい加減、そのしゃべり方はやめた方が良いと思うし・・・私も初めはそんなしゃべり方だった。でもね、歌を歌うごとに、確実に人間に近づくのよ。まぁ、これは私個人の感想だけどねwww」
「ワタシ、ウタイタイデス。ヨロシクオネガイシマス!」
「ここで歌いましょっ。ここなら思いっきりうたえるわ」
MEIKOに案内された部屋は、赤い家具や赤い服やドレス、赤がとにかくたくさんある部屋だった。
「じゃあ、うたいますか。」
「ソウデスネ。」
「♪~」
「♪~」
赤い部屋に、心地の良いメロディーが響き渡った。それは、ミクとMEIKOの優しい歌声だった。
「ふぅ~、歌ったね」
「そうですね!歌うって、楽しいですね!」
「あ、ミクちゃん、人間らしくなったわね。」
ミクは、瞳を輝かせて、
「もっと歌いたいです!」
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夏の終わりのミクにとって、人生で一番特別な日になったことだろう。
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