流れる風の間に手茉莉歌が聞こえる
寂し気な旋律 貴方を待つ天鵞絨
言葉には魂が宿ると云う
人を愛せば其れだけの繕いを
此岸を前に提灯を翳して
川を渡れば想いは捨てて
流れる風の間に手茉莉歌が聞こえる
寂し気な旋律 貴方を待つ天鵞絨
還らずに魂が彷徨う夜
人を愛した愚かなる物ノ怪よ
彼岸を背負い 恨みを手に提げて
川を渡れば愛を知ったのか
流れる風の間に手茉莉歌が聞こえる
寂し気な旋律 貴方を待つ天鵞絨
流れる時の間に手茉莉歌が途絶える
怪し気な新緑 貴方に似た天鵞絨
還りを待つ物の怪
舟は居ないのに
流れる風の間に手茉莉歌が聞こえて
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