ひとつ、ふたつ、みっつ。



今日届いたメールの件数をいくら数えても、そこにあの人の名前はない。



今日優しい言葉を投げかけてくれた人をいくら思い出しても、そこにあの人の顔はない。






よっつ、いつつ、むっつ。



今日私がもらったプレゼントの数を数えても、そこにあの人からの贈り物はない。



何度すれちがった人に挨拶をしても、そこにあの人の姿はない。



何度自分の歳を数えても、おめでとうを言ってくれた人の中にあの人の姿が見えることはない。








あの人は、どこにも見つからない。







空っぽの冷蔵庫の隅にわずかに残ったスライスチーズを見つけて、



ワインと一緒に少しづつ食べていく。







なんだか寂しい。



あの人がいないから、誰もいないリビングはいつもより静寂さを増していた。









同僚であり友達でもある「彼」と「彼女」は、暇を見つけて祝ってくれた。



それぞれ思い思いの品を持ち寄り、未来や今後の予定を語り合った。



残る仕事のため二人は戻って行ったが、私の胸はざわついたまま。







二人はうまくいってるのかな。



たまに笑いながら仕事から帰ってきてるけど、きっとうまくいってるんだよね。



とてもゆっくりだけど、少しずつ一緒に道を歩んでいってるんだよね。










なのに。



どうして、私はうまくいかないの?



何をしても、いつだって笑って誤魔化して。



たまに逃げたくなっては、出かかった言葉をお酒と一緒に喉の奥に流し込む。







ねえ。



いつもいつも、同じことの繰り返し。



こんな生活をいつまで繰り返すつもりなの?



いつまで愛想笑いを続けるの?






いつも笑いながらうまく誤魔化して、



言い逃れを使って背を向け続けてるのは私だけ?



違う。



きっとあの人も同じ。



あの態度は、意図的に私を避けているように思う。



どうしてかな?





いつか問い詰めてやるんだから。










だれもいないリビングのソファーで、



いつの間にか寝息を立てていた私に、



誰かの優しい手がそっとタオルケットをかけてくれたのに



一切気づかないまま、淡々とした日常は続いていく。














『今日のお酒は美味しそうだね』



『そう見える?皆言うのよ、その台詞』



『何かお悩みだったりするの?』



『ふふ、それなりのお悩みはあるけど、しばらくは一人で考えてみるわね』



『そっか…何かあったらいつでも相談に乗るからね?』



『うん、ありがとう』






でもね、そんなに気軽には相談できないのよ?




ね? カイト。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【めー誕】ランプシェード

もしかしなくてもあのシリーズ。
こんばんはゆるりーです遅刻しました許してください。

一時間クオリティでごめんなさい。
タイトルにとくに意味はないです!!!

ごめんなさい!!!

閲覧数:124

投稿日:2014/11/17 22:20:06

文字数:1,184文字

カテゴリ:小説

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