「はぁ…」


私は小さく溜息をついた。


蒸された空気を掻き出す換気扇が気の抜けた音を出す。
乱れたベッドの上で、私は一人、
もう一度溜息をついた。



彼と出会ったのは、前の彼氏と別れたころ。
傷ついた私を慰めてくれた彼に、私は恋した。

彼に愛されたくて、愛されたくて、
必死にもがいた。

何度も体を重ね、こうすることで彼に愛されていると信じていた。




でも、それは自分を騙す言い訳。

彼は私を愛してなんかいない。






私に会いに来ることはもうほとんどない。
会いに来るのは、他の女と喧嘩したときだけ。
はっきりと香水の香りが残る彼に、私は抱かれた。
その目に私は映っている?



「もう、わかんないよ…」


涙が一筋零れる。



「憐(レン)…」


小さく囁いても、誰も抱きしめてなんかくれない。




何故私は彼をこんなに愛するのだろう。


早く別れてしまえばいいのに…



「…惚れた弱みね、」


そう呟いて、私は嘲笑するように笑った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

抱きしめて Ⅰ

お久しぶりです!


主人公名は多分亜種的になりますw

始まり方重いですが、
ハッピーエンドにします!

閲覧数:250

投稿日:2011/12/03 14:59:06

文字数:443文字

カテゴリ:小説

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