灰色の海原を越え
慄きを櫂で打つ
往く手に何があろうとも
我が前に屈すだろう

胸に巣食うのは貪欲なる野心
見境知らぬヒロイズム
胸が踊るのは豪傑の性
未開の地に臨む

撥ね付けられた礼と神の信仰
人間に劣る卑しき巨人族
蛮行に為す術はなく
友が喰われ命落とした


仲間が一人二人消え
怯えが我等包む
されども神の加護にあり 
恐れるものがあろうか

錆付かぬ使命 エゴの復讐心
赦しも拒むバーバリズム
策略めぐらせ 用意周到
戦いに備える

甘美な眠りを誘う黒きワイン
仇に諂う我が名は“誰でもない(Ούδείς)”
優越に浸るがいい
奈落に突き落としてやろう


武器は尖鋭なる灼熱の丸太
悪き怪物の目玉を突き潰せ
狂痛にもがくがいい
我らは決して捕まらぬのだ

同族に救援叫ぶ闇の中
賢しき敵の名を呼べど“誰もいない(Ούδείς)”
愚鈍さを恥じるがいい
罪の重さを知るがいいぞ



[読み]


はいいろのうなばらをこえ
おののきをかいでうつ
ゆくてになにがあろうとも
わがまえにくっすだろう

むねにすくうのはどんよくなるやしん
みさかいしらぬヒロイズム
むねがおどるのはごうけつのさが
みかいのちにのぞむ

はねつけられたれいとかみのしんこう
にんげんにおとるいやしききょじんぞく
ばんこうになすすべはなく
ともがくわれいのちおとした



なかまがひとりふたりきえ
おびえがわれらつつむ
されどもかみのかごにあり 
おそれるものがあろうか

さびつかぬしめい エゴのふくしゅうしん
ゆるしもこばむバーバリズム
さくりゃくめぐらせ よういしゅうとう
たたかいにそなえる

かんびなねむりをさそうくろきワイン
かたきにへつらうわがなは“ウーテイス”
ゆうえつにひたるがいい
ならくにつきおとしてやろう


ぶきはせんえいなるしゃくねつのまるた
にくきかいぶつのめだまをつきつぶせ
きょうつうにもがくがいい
われらはけしてつかまらぬのだ

どうそくにきゅうえんさけぶやみのなか
さかしきてきのなをよべど“ウーテイス”
ぐどんさをはじるがいい
つみのおもさをしるがいいぞ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

Ούδείς

葉の月さんの歌詞募集曲に挑戦させていただきました
http://piapro.jp/content/28irv52e1prvvwad



「Ούδείς」はウーテイスと読みます
ギリシア語で「誰も~ない」の意です。英語で言うならnobody

曲を聴いたときに冒険に出るようなイメージがわいたので
テーマをホメロスの『イリアス』が第九歌キュクロプスの話にしました。
人様にあげるにしてはマニアックでごめんなさい;
概要はこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%A6%E3%82%B9#.E3.82.AD.E3.83.A5.E3.82.AF.E3.83.AD.E3.83.BC.E3.83.97.E3.82.B9.E3.81.AE.E5.B3.B6


↑でみるとかっこいいんですが、実際に本で読んでみると主人公がどこからその自信出てくるんだと言いたくなるような俺様思考の人に見えてしょうがなかったためそんなイメージで書いてます。
英雄なのにやってること単なる海賊じゃry

質問ありましたらなんでもどうぞ^^


※ギリシア文字使ったらこの文字化けっぷり(涙
 駄目そうだったらカタカナで「ウーテイス」でお願いします。

閲覧数:172

投稿日:2009/12/24 20:41:30

文字数:921文字

カテゴリ:歌詞

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