「ねぇ、このピアス」

レンと買い物の途中で見つけたそのピアス
1000円とちょっと高いけど、一目ぼれ

「んー、綺麗じゃん、買うの?」

「うん」

それを買って、ダッシュでお家に帰るの
黄色とピンクのお花のついた可愛いピアス
あたしとルカ姉みたい

「ただいま!」

買い物袋をレンに投げつけて、急いで階段上ってルカ姉の部屋にダイブ
本を読んでいたルカ姉はびっくりしながらあたしを受け止める

「お帰りなさい」

ふんわりと笑う、綺麗、すっごく綺麗なあたしのお姉ちゃん
メイコ姉さんともミクちゃんとも違う、世界で一番綺麗な人
でも、あたしだけのお姉ちゃんじゃない、くやしい

「ねぇ、ルカ姉」
「ん? なにかしら」
「これ、どう思う?」

買ってきたピアスを見せると、ルカ姉の目が輝いた
ルカ姉は綺麗な可愛い物が大好きなのを知っている
綺麗なルカ姉が綺麗で可愛い物をつけるといっそう輝く、眩しいくらいに

「一個あげる! もう一個はあたしの! つけていい!?」
「え、あ、うー、と、うん」

どうして悩むの、とわからない振りして聞いても良いけど
その後の反応が腹立つのでやめる
好きなもの目の前にして、いらない、とはいえないよね
だって大好きな“妹”からのプレゼントでもあるから

「じゃあ、左向いて?」
「う、うん、こうでいい?」

さらさらピンク色の髪を掻き揚げるセクシーだなぁ
無傷な右耳が無防備に露になる
綺麗な首筋に噛み付いて、あと付けたいと思ったけど
先客が居る、腹立つ、上書きしたけど我慢
おまけで付いてきたピアッサーで穴を開ける、痛みに喘ぐルカ姉
えっち、あたしが狼だったら間違いなく食べてる
でもあたしは狼じゃなくて猟師だから食べれない、悔しい
すぐさまピアスをつけた、まだ痛いのか右耳を抑えている

「痛かった? 大丈夫?」
「ぅんー、ちょっと痛いけど、平気」

にこりと笑う、可愛いちゅーしたい、でも我慢
あたしも左耳に穴あけてピアスをつける、おそろいピアス
でも足りない、でもそれしかできない

「えへへ、おそろいだ! ルカ姉とはじめてのおそろいだね」
「そうね、ありがとう、リン」

名前呼ばれて頭なでられて、おひざの上に抱っこされて
一緒に本読んだり、英語を教えてもらったりした
ずっと続けばいいと思うに、続かない

「ルカ」

ほら、きた
ルカ姉が顔を赤らめて、ごめんね、と謝って扉の向こうに消えた
静かに扉を開けて、廊下の外を見る
ちゅーしてた、悔しい、狼に喰われる可愛いお姫様
あたしは妹だから見てるだけしかできない
そんなあたしに気づいて、してやったり顔をされた腹立つ
でもピアスには気づいていない
あたしは、このピアスを通じてルカ姉を守るの
あたしは猟師になっていつか、狼を倒す
そして、最後はお姫様とつながるの

「なんて、おかしいんだろう」

全てはおとぎ話をモチーフにして歌を作るマスターのせいにしてみた
少し心が楽になった
さて、マスターにあたしからスペシャルキックをプレゼントしよう
二人が消えた扉を背中にあたしは、マスターの部屋に向かった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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リンルカ 「猟師と姫のピアス」 守ります

無邪気なくせに攻めなリン、大好物です
そんな可愛さに負けてくらくらルカたん、食べたいです

閲覧数:490

投稿日:2011/01/05 03:06:03

文字数:1,296文字

カテゴリ:小説

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