ルカさんは最近機嫌が悪い。
 今日もムスッとした顔で、ソファーに座って洋書を読みながらCDを聞きながらマグロを食べながらずっと携帯電話をチラチラ見ている。
 なんだか怖いので、私とレンはあんまり近づけない。向かいのソファーで大人しく『悪ノ娘 緑のヴィーゲンリート』を読むことにする。
 そこに無神経で無頓着で鈍感なミク姉がやってきた。ルカさんの隣にボスンと座る。
「ルカちゃん、何してるの?」
「Bookを読んでMusicを聞いてTanaを食べてるの」
「なんで携帯見てんの?」
「連絡を待ってるのよ」
「誰からの?」
「プライバシーに関わるから答えたくないわ」
「誰なのぉ?」
「誰だと思う、ミクちゃん」
「ナ……じゃなくて、神威さん」
 たぶんナスって言いかけたんだろうな。だってナスだし。
「なんでそう思うの?」
「ナ……じゃなくて神威さん、携帯電話の使い方分からないって私に聞いてきたもん。ルカちゃんと連絡取りたがってたのかな、って」
「……それは本当?」
「私が嘘つくと思う?」
「…………」
 ルカさんは何も答えない。
 ミク姉は風船のようにぷうっと頬をふくらました。
 その時、ルカさんの携帯がぶるるるっと震えた。ディスプレイには『神威がくぽ』の文字。メールだ。
「おお、ナスからだ」
 言ってしまってあわてて口をふさぐミク姉。
 私とレンはすぐにルカさんのそばに寄って、画面をのぞきこむ。
『あ』
「……それだけ?」
 レンがじれったくなったのか、ルカさんに聞く。
 私も聞きたい。これだけ?
「これだけ、よ」
 ふふふっとルカさんが笑う。
「……なんで?」
「使い方が分からないのよ。今度教えてあげなくちゃね」
 ルカさんは品のある笑い方するんだなあ。
 それからルカさんはナ……じゃなくて神威さんに携帯の使い方を教えにインタネ家に向かった。

 ルカさんは機嫌が直って、私とレンとミク姉にみかんとバナナとネギをくれた。



 なんとそのみかんとバナナとネギは、高級なものだった!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

いまだに携帯電話の使い方が分からないと相手に迷惑をかけることになる

がくルカ書きたくて書きました。

毎度毎度へたですが、書くのは楽しかったです。

…っていうか私、リン視点のもの多いですね。リンが一番書きやすいから…

閲覧数:367

投稿日:2011/04/16 08:21:35

文字数:852文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    すごい面白すぎですwwww
    まぐろを食べながらってw
    っていうかがっくんからのメールが『あ』だけってwww
    かわいいですねがくぽ!!

    わかりますよ、リン視点がおおいの。書きやすいですよね^^
    うちも鏡音視点がほとんどです^^
    ブクマもらいます

    2011/04/16 14:45:06

    • 絢那@受験ですのであんまいない

      絢那@受験ですのであんまいない

      ブクマしていただけるなんて光栄です!

      「あ」って「1」のボタンを一回押せば出るので、そのまま送信しちゃったということで。
      がくぽからのメールを待ち焦がれるルカさんが書きたかったんです。
      でもがくぽでてきてないwww「あ」だけwww

      余談ですが、誰かに話したくて。聞いてくれますか?いいですよね((おい
      入学したての中学校でボカロ好きな子が結構いて嬉しかったです。中にはフィギュアを持ってる子もいてびっくり!いいなあ。
      鏡音好きな子もいてもうなんか中学入学してよかったーみたいな感じです。小学校には同志がいなかったから…

      シベリアさんは中二なんですよね?じゃあ先輩か。
      シベリア先輩、これからも私の駄文を読んでお世辞のコメでもください!!よろしくお願いします。

      2011/04/16 16:54:17

オススメ作品

クリップボードにコピーしました