＃１１－４「みんな、律儀」



メイコたちは、カイトとルカの後を追跡した
そして、ある場所にたどり着いた


「あれ？ここって…」

「…寮…だよね？」


ミク、リンは、ぽかんとしている


「でも、確実に中に入ったわ。私たちも行きましょう！」


そう言って、メイコ達は寮に入り、リビングを扉の隙間からのぞいた


「お、ルカ殿、カイト殿、おかえりでござる。」

「ただいま、がくぽ。ねぇ？ハクさんは？」


リビングにいたがくぽに、カイトがハクの居場所をきく


「ハク殿なら、自室にいると思うでござるよ」

「わかった、ありがとう」



そういって、カイトがメイコ達の覗いている扉に近付いてくる


「わわわ！見つかる！どうしよう？メイコ姉さん！」

「メイコ姉！ミク姉！こんなとこに、偶然、ちょうど良く隠れられそうなダンボールが3つあるよ！」

「ほんと…そのために置いてあるかのようにあるわね…とにかく隠れましょ！」


ささっ！

………………
………………トントントン……


「こちら、メイコ、どうやら階段を上がって行ったようね。オーバー」


それぞれ別々の箱に入っているメイコたちは、無線を使わないとお互いの声が聞き取りにくい


「あー、メイコ姉もいざという時以外に使ってるじゃん！ずるいよ～！オーバー」

「私とメイコ姉さんは、このままカイト兄さんをストーキングするわ。リンちゃんはルカさんの方を見て報告して。オーバー」

「了解、2人の無事を祈ってます！」


リンは箱の中で敬礼した！誰にも見えてないが…






そして、ミクとメイコの段ボール箱が不自然に動き始めて、階段をのぼっていった


「よーし！しっかりのぞくぞ～！」


リンは気合を入れて、ダンボールに開いていた穴からリビングの中を見て、ルカを探した。

しかし、姿が見えない

と、次の瞬間、段ボールがスッと浮いた


「…あれ？」

「あら？リンちゃん？どうしたの？こんなとこで？かくれんぼ？」

「ルルルルル…ルカ姉！！？」


今まさに、ルカがダンボールを持ち上げて、中のリンを発見したという状況…

「ははははは…」

苦笑いするリン




見つかっては仕方がないと思ったリンは単刀直入に聞いた


「ルカ姉！あのプレゼントは誰にあげるものなの！？カイト兄？」

「え？あぁ…あれね。あれはがくぽさんに…」

「ええええええええええ！！なななな…なんで？！」


リンはドキドキワクワクしながら、興奮気味にきいた



「ほら、この前、私、やけどしちゃったじゃない？その時、がくぽさんが応急処置してくれたから、そのお礼にと思って、てぬぐいを…」

「え…なーんだ。ただのお礼か…」


リンのドキドキワクワクは一気に冷めた



「でも、ルカ姉…がくぽさんはそう思ってないかも…ほら」


そういって、リンはリビングで飛んで跳ねてルンルンステップを踏んでるがくぽを指さした。


「あはははははは～。ルカ殿からのプレゼントでござる～。うれしいでござる～。」







一方のカイトは…ハクの部屋にやってきた


「カ…カイトさん？！どうしたんですか？！」

「いや、僕、前にハクさんに、アイス買ってもらったでしょ。だから、お礼しようかと思ってさ。これ大したものじゃないけど…」


そういって、カイトは小袋をハクにわたした


「開けて…いいですか？」

「うん！いいよ！」


「…これは…髪を結うリボンですね。ふふ…かわいいですね。」

「でしょ？！この端についているアイスがかわいいよね」


カイトは無邪気に笑う





「うわぁ…カイト兄…センス無っ！」


ミクは段ボールの中から見てそう思った


メイコ姉さんもそう思うでしょ？と声をかけようとして、メイコの段ボールの方を向いたミク


しかし、そこにメイコの姿はなく
それと同時にメイコの部屋の扉がパタンと、力なく閉まる音が聞こえた


「え？……メイコ姉さん？」


なぜかそこに悲愴感漂う雰囲気があった