夜の根も暗く、人々が眠れぬ夜をすごしている頃。

組織の研究室は、昼間のように明るく、蛍光灯に虫が集まる。
そこでは、少女を囲んで二人の人物が対峙していた。

「…なんですって?」

「人形の洗脳の効果が弱まっているかと…」

「どうして!」

「恐らく、人形と化する前の記憶を刺激するような何かを見たのでしょう…」

「やり直しよ…もう一度、私のこの手で人形を修理するわ!」

「ミク様!それは危険です。下手すればあのような有能人形を失うことにも繋がります!」

「分かってるわ!もう少しで…もう少しで私たちの望む世界が手に入るのよ!多少の犠牲なんて厭わないわ!」

「しかし、事は慎重に進めたほうが…」

「黙りなさい神威!いいわ、もう少しだけ、そう、もう少しだけ待つわ。絶対に、特殊警察を潰してみせるんだから…」

彼らは知らない。
殺戮人形を使えない「ガラクタ」にしてしまうモノは、特殊警察の中にあることを。











「…浮かない顔ね?メイコが気になるのかしら?」

「ルカ先輩…」

レンはメイコの姿を見た。
銃弾を3発も食らっており、「安心しろ」などとはどんなヤブ医者でも言えないような姿だった。

「レンのせいじゃないわよ…気にしないの」

「ルカ先輩、あの人形は…何故あそこまで殺すことに執着するのでしょう?」

「これは私の予測だけど。いいのかしら?」

「構いません」

「ヒトは誰でも心に闇を持っているもの。でもそれが表に出ることは滅多にないのよ。でも組織はヒトの心の闇を操ることに長けているわ。要するに、洗脳ね。あの人形は、何らかのきっかけ組織を知り、洗脳を受け、多量虐殺の命令を執行する…」

「そんな…」

「ここで心の闇が出てくるのね…それは、自分と同種である人間を殺すという快感…それにはきっと、とてつもない依存性でもあるのでしょう。組織の洗脳と交じり合って、殺戮人形の暴走は手に負えないほどになる」

ヒトの心を利用した、あまりに残酷な手口。
レンは殺戮人形に嫌悪感を抱かなくなっていた。

「レン…だからといって殺戮人形に同情なんかしてはいけないわ」

彼女は何でも見透かす。
前世は占い師か何かだったんじゃないか。
予測だってかなり的を射ていると思うが。

咄嗟に言い訳をしてしまった。

「いえ、あの人形…どこかで見たことが…」

とたん、いつもはポーカーフェイスであると言われる彼女の顔は歪んだ。
あなた、組織と関係があるの、と疑っているのだ。

「多分、人違いですけれど」

慌てて付け足したが、疑われていることには間違いないだろう。

「殺戮人形の仲間になってはいけないわ、レン」

勿論、仲間になる気はありませんよ…
口を開きかけたときにはもう、非常ベルが鳴っていた。

「レン、殺戮人形よ。噂をすれば、ね」

レンは研いだ刀を帯刀し、ゆっくりと歩いた。

狩りとるは、全ての悪。
地の果てまで追い詰める…











「来たわね…?少しは腕の立つやつを連れてきてくれたのかしら?手こずった相手の血ほど美しいものはないものね」

リンは銃に手を伸ばしかけて、やめた。
これじゃ、皆すぐに離れた所で死んじゃって面白くないもの。
どうせなら楽しみたいじゃない?

「全ては、ミク様の為に」

すらりと長く美しい刀を中段に構えた。
刀のほうがたくさん血が出るからいい。

「見つけたぞ!殺戮人形っ!」

長い髪の女が出てきた。

「貴方のか細い腕でそんな業物、扱えるのかし、ら!」

あら?中々やるんじゃない?
女は剣線を読んで、紙一重で避ている。

「貴方の血もきっと…美しいんでしょう?」

「狂ってる…!」

刃と刃が不協和音を奏でる。

女は応じることに長けていて、打てば打たれ、打てば打たれ…の繰り返し。
女の見方も応戦するけれど、はっきり言って相手にならないわね。

戦況が変わったのは、リンが左諸手上段を取り始めた頃。
女は間合いを計りかねて空振りが多くなった。
圧倒的にこちらが有利。

不利な状況が続き、バテた女が膝をついた。

「さ・よ・う・な・ら!」

バサッ…

人間の首が落ちたにしては、儚く、乾いた音。
流れ出ている赤いものは、血…!

「ルカ先輩!貴様の、せいで!」

金髪の特殊警察が刀を振り上げる。

やっぱり、あの顔、どこかで…

シュっと背中に傷が刻まれた。

背中を触ると、大好きな赤いものがついていた。
自分の血。
はじめて見た、今まで自分を傷つけたものなんてなかった。

何をどうすればいいか分からなくなったリンは、走って研究所まで逃げた。
逃げたことも、初めてだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【からくり卍ばーすと】善の刃と悪の銃は交差して 2

やっとできました!
期末テストが近いけど、まぁいっか☆
なんとかなる!

いやぁぁぁルカ姉死なないでぇぇ!
リンちゃん悪魔すぎるよぅ…
かなりグロい表現含まれてます。
さて、この後はどうしようか。

閲覧数:968

投稿日:2011/09/28 23:59:03

文字数:1,957文字

カテゴリ:小説

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  • ゆ-やん

    ゆ-やん

    ご意見・ご感想

    初めましてー
    ゆーやん、といいます!
    前から作品見てました(^_-)
    作品全部、上手です(^^)

    テストがんばってー!

    2011/09/29 17:53:11

    • 楪 侑子@復活!

      楪 侑子@復活!

      れっちぃちゃん  リンちゃんは一体何人殺すつもりなんだ…
               だよね?仲良くないと駄目だよね?
               レンリン…しばらく書いてないなぁ><
               いやいや駄文の間違いだよw
               テスト頑張ったけど…駄目だった(つД`)・゜・。


      シベリア  今のシベリアに題名を付けるとしたら
            「リンとレンの間で板ばさみになっちゃった」かんじ?
            分かる分かるよ君の気持ち(←?
            グロ表現の後にご飯は食べれないな…
            シベリアヤンデレ好き?同志よ!
            頭の中が期末テストってどういうww
            ありがとう!しっかり届いたZE!


      ゆーやんさん  はじめまして!
              こんな駄文見てくれたんですか!?ありがとうございます!
              応援ありがとうございます!

      2011/10/09 00:50:44

  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    う、うちでよければ組織の仲間に…← ああぁ!でも特殊警察にはカイトが…!どうすればいいんだ…!((
    ルカ姉!?こんどはルカ姉が……いまからルカ姉の救護にいってくるよ!
    グロ表現バチ恋!!いや、むしろお願いします←

    期末テストか…うちは頭の中が期末テストww
    テストがんばってね!応援してるよ!

    2011/09/29 16:36:40

    • 楪 侑子@復活!

      楪 侑子@復活!

      れっちぃちゃん  リンちゃんは一体何人殺すつもりなんだ…
               だよね?仲良くないと駄目だよね?
               レンリン…しばらく書いてないなぁ><
               いやいや駄文の間違いだよw
               テスト頑張ったけど…駄目だった(つД`)・゜・。


      シベリア  今のシベリアに題名を付けるとしたら
            「リンとレンの間で板ばさみになっちゃった」かんじ?
            分かる分かるよ君の気持ち(←?
            グロ表現の後にご飯は食べれないな…
            シベリアヤンデレ好き?同志よ!
            頭の中が期末テストってどういうww
            ありがとう!しっかり届いたZE!


      ゆーやんさん  はじめまして!
              こんな駄文見てくれたんですか!?ありがとうございます!
              応援ありがとうございます!

      2011/10/09 00:50:44

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