「貴女、一体誰なの?」
「ルカさんが二人も?どっちが本物か解らないよー」
「そうか?俺は解るぜ?全然違うじゃねぇか」
「カイトマジで言ってるの?私は全然解らないんだけど…」
「装備を良く見ろよ。どっちが銃を持ってる?」
「…っ!逃げた方のルカさんだ」
「他にも身長や胸の大きさ、良く見ると全然違ぇよ」
「胸?どっちも大して変わらない気が…」
「触りゃ解んじゃねぇのか?」
「ちょっと失礼します」
ミクは逃げた方のルカの胸を掴んだ。逃げた方のルカは表情一つ変えずにじっとミクを見ている。
「はっ!大きい…私もこれぐらいあれば…ってそんなこと言ってる場合じゃないわ、次はそっちのルカさんを確かめないと」
そういうと、もう一人のルカの胸に手を伸ばす。こちらのルカは顔を赤らめながらミクを睨んでいる。
「あっ!こっちの方が小さい。でも胸の大きさが違うのが解ったけど、いったいどっちが本物なの?」
「俺も本物の大きさは知らねぇよ。実際に見たわけじゃねぇんだから」
「証拠になんないじゃない!だったらあんな事させないでよ!」
「勝手に触りだしたのはミクだろ?俺は触れなんて一言も言ってねぇぞ?」
「った、確かにそうだけど…。で、結局本物は?」
「おそらく銃を持ってない方が本物だよ。ギルドで見たポスターには銃じゃなくて何も持ってなかったからな、まぁたまたまかもしれないけどな、まぁ他にも瞳の色とか細かい事が色々と違うしな」
「うふふ…貴方凄いんですね?アタシの変装を見破るなんて凄いじゃないですか」
「やっぱりあっちが偽物?」
そういうとルカは服を脱ぎ捨て、全くの違う人が中から現れた。
「アタシは弱音ハク、ちゃんと変装してたと思ったんですけど、そこのお兄さんには全部見破られたみたいですね」
「何で私の格好してたのよ?」
「ギルドでそこのお兄さんが貴女のポスターを見てるの見てて、知ってる人なら話しも合わせやすいかなぁって思っちゃったのよねぇ…」
「私にとっては凄い迷惑なんですけど…」
「本当にゴメンなさい、悪気は無いのよ。その後に酒場でお酒を飲んでたらマスターに貴女の事聞いて、ついでに最近噂になってるカムイについてマスターに聞いてたのよ。そして宿屋で一夜明けてから貴女達に直接話を聞こうと思ったらあの有様…。でも、カムイを追ってるのはアタシもなんです」
「私もなんだけど、貴女はどうしてカムイを追ってるの?」
「友達から連絡が取れなくなってたんです。最後に受けたメールはカムイの所に潜入中と言うのを最後に音信不通で…。もう…心配で心配で…」
「それで探しに来た訳ね」
「ルカさんはどうしてカムイを追いかけてるんですか?」
「私は…カムイにどうしても聞かなきゃならない事があるの」
「何か、良く解らないけど皆目的は一緒だろ?じゃあカムイが見つかるまで一緒に居ないか?」
「そうね。その方がお互い悪くは無いと思うわ」
「ハクさんは?」
「アタシは大丈夫ですよ。ただ、皆さんに迷惑をかけるかもしれないけど…」
「そういえば…ハクは敬語使わなくても良いのよ?貴女、最年長でしょ?」
「最年長はルカさんも同じじゃないですか?」
「私はまだ20よ!」
「私は21ですけど、誕生日的に計算したら同い年じゃないですか?」
「あぁ、もう解ったわよ!とりあえず、次は何処に行けば良いの?」
「誰か解る人居ないのか?」
「カムイの情報も全然ありませんし、とりあえず隣の村のダリア村にでも行ってみます?」
「何か理由あるのか?」
「特には無いですけど、地図で見る限り、1番近いじゃないですか」
「ダリア村…。カイト確かあそこに賞金がついた奴が居るって噂だよ」
「賞金首か…俺達もこの前、賞金手に入れたよな?」
「カイト、その事なんだけど…」
耳元で囁くにミク、その言葉にカイトは驚愕した。
「えっ?何で無いんだよ!ちゃんと管理してたのか?」
「うん、大金だからマスターに金庫に入れてもらってたの。でも、朝起きたら…」
「あの有様で、金庫も壊されて有り金全部すられたと…。どの道手がかり探しにダリア村に行かなきゃならねぇんだ、ついでに賞金首をぶっ倒して賞金ゲットするか!」
「おー」
元気よく拳を掲げる一同。
仲間意識を再確認し、ダリア村に向かうカイト達―。
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