周りの男性社員がおかしい。
いや、決して嫌な意味では無いんだけど…
例えば、私がパソコンに向かって仕事をしている時。
「巡音、俺がやっとくからお前やんなくていいぞ」
「え…でも」
「いいから」
「うん…」
同期の男性社員は私に代わって仕事を引き受けてくれる。
「何か今日、周りの男やけにルカに優しいじゃな~い…?」
「だよな~…」
「ちょ、ちょっと何そのヤラしい目…」
メイコとカイトはにやにや笑う。
「仕事しろお前らはぁ!!」
またがくぽの事怒らせちゃったし…
「もう!あんたの口は仕事しか言えないの!?」
「るせー馬鹿!」
「何幼児化してんだよ」
そんな幼児化したがくぽも可愛くて好き。
「巡音!」
オフィスのドアの前に会社の社長が手招きして私を呼んだ。
「はい…」
ミスでもしたのかと思い、恐る恐る社長に近づいた。
「この後時間あるか?」
「へ?」
まさかの言動に耳を疑う。
「だから、時間あるのかって…」
「え…あ、はい・…」
いつも社交的で何事にも動じない社長が、今日は顔を赤くして口元を手で覆っている。
「今夜…」
「すみません」
私と社長の前に、がくぽが立つ。
「一応、彼女なんで」
「わ!」
がくぽが私の顔を自分の胸に押し付けた。
「まだ俺は何も言ってないだろ?」
「でも社長と社員のラインを超えるのはやめてください」
「お前が巡音に冷たいから俺が優しくしてあげようとしてるだけじゃん、なぁ?巡音」
「余計なこと言わないで下さい!」
「え、あ、ぷわぁ!」
がくぽはますます私を強く抱きしめる。
こんなに抱きしめられたの久しぶりですごい緊張する…!
そのせいも含めて私の呼吸は苦しい…
「そんな強く抱きしめたら巡音苦しいだろ。離してやれよ」
「社長がこいつに何もしないって言うなら離します」
「何もしねぇよ」
「はぁ…」
やっと解放された。
ほっとしたような、残念なような気持ちが交じり合う。
「と思わせといて」
「んう!?」
唇が塞がる。
「ん…ん…!ふ…」
酸欠で頭がぼうっとする。
こんなキス、ずっとしてない…
相手が社長でも、皆見てても、今だけは少し、がくぽが優しかった時の幸せな時間に戻ったような気がした。
「あ・・・ぁうんッ・・・」
社長の舌が私の唇から離れる。
「な・・・何してんスか社長!神威先輩と巡音の仲知ってますよね!?」
「そうですよ社長!オフィスであんなこと部下にするなんて・・・」
同期の社員の声ではっとした。
「可愛い声出すんだな、お前」
「へ・・・あ、あの・・・・」
社長に軽く唇を指で押される。
「こーんな可愛い奴に優しくしないなんて馬鹿、お前だけだよ神威」
「・・・・・」
社長に抱きしめられても、何の抵抗もしたくなかった。
ただ、社長の胸をがくぽと重ねて抱きしめられていた。
「離れろよ!」
がくぽは私の体を社長からべりっとはがし、私の腕をがしっと掴んだ。
「妬くのもムリないよな。俺みたいなおっさんに彼女の唇奪われたんじゃ」
「社長・・・まだ若いですよ」
「何?もう一回して欲しいから猫かぶってお世辞言ってんの?」
「なっ!」
ありのままの事を言っただけなのに!
「俺、もう帰ります」
「がくぽ!」
がくぽは私の腕を離して、冷たい目をしながらオフィスから出て行った。
幸いにも、嫌味を言う女の子達は居なかったけど。
どうしよう…
「またがくぽに嫌われた…」
「大丈夫だってルカ!がくぽはあの女の子ともっーとルカに酷いことしたんだから」
「そーそー。あれくらい上等だって」
メイコとカイトは口々に言う。
「ま、神威に嫌われたとしても俺がいるから心配すんな」
社長が私の頭をぽんっと叩く。
「・・・はい」
「お!?認めた!?」
「おめでとうございます社長!」
「そういう意味じゃ無い!!」



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

社内恋愛【部下の前に、女なんですッ!】 6

社長は私ですね分かりま(ry

閲覧数:392

投稿日:2010/05/16 14:35:49

文字数:1,572文字

カテゴリ:その他

  • コメント1

  • 関連動画0

  • なんん

    なんん

    ご意見・ご感想

    社長だれですかっ!
    あ、ふみゅさんでしたか。
    ・・・違いますよね?

    すごく続きが気になります!
    頑張って下さい。楽しみにしてます!

    2010/05/16 17:17:50

    • どーぱみんチキン

      どーぱみんチキン

      いやいや私ですよ^p^←
      こんな社長いたら私が社長の座をのっとりますwwww
      続き頑張って書きます(´▽`*)
      いつもコメどもです!!

      2010/05/16 18:12:25

オススメ作品

クリップボードにコピーしました