繋がれた鎖の先　辿れば
無機質な冷たい壁に出逢う
抱きしめた記憶の中　探れば
変わらないままの笑顔が浮かぶ

冴えた月光（ひかり）はこの姿さえも
清いなかに曝すのか
瞬く星ならば何かを
暴くことはしないだろうに

囚われた　誰かの心の中に
救い出される希望も見えぬまま
塗り潰した彩（いろ）の闇だけが
この鳥籠に纏われ

絆された運命（さだめ）の糸　絡めば
交わった先は誰かの運命（さだめ）
紡がれた想いの彩（いろ）　染めれば
新しく生まれ心が変わる

照らす陽光（ひかり）はこの瞳さえも
焼き払おうとするのか
垂れ込む雲ならば何かを
包むことだけするだろうに

奪われた　大切なものを誰に
けれど失ったものも知らぬまま
色褪せ朽ちていく世界だけが
この瞳に映る現実

繋がれた鎖の先　知るのは
閉ざされた世界のなかと云うこと
語られた言葉の後　聴こえた
あの声は果たして誰のものか

赦された　咎を負う罪人（つみびと）が
それはこの身を捕らえた"誰か"
徒（いたずら）に過ごすこの時だけが
その贖いを求めて

抱きしめた記憶の中　探れば
失った君の笑顔が浮かぶ

この閉ざされた世界で
ただ迫る朽ちる時