力
「ところで、協力してほしいって何?」
「あぁ、現実世界の俺のリンだったらできるかなって思ったことなんだけど…」
そう言うとリントはちょっと待っててと言い、部屋を出て行った。
改めて部屋を見渡す。
ホントにここは反転世界なんだな…と思う。
じゃあ、あそこの扉の向こうは反転世界のレンの部屋なのかな。
そんなことを考えていると、リントがオレンジジュースを持ってきた。
「これ飲んで」
「? うん」
差し出されたオレンジジュースを飲み干す。
やっぱりおいしい。
「えい」
リントが空になったコップに向かって指を振る。
すると、コップのまわりに魔方陣が開き、ジュースの水面があがってきた。
「う、うそ…。何か、マジック?」
「マジックじゃない。特定の場所の時間を戻すことができるんだ」
「それが、あたしにもできるかもってこと?」
「つか、act.1はほとんどできるらしい。しかも、調べたサイトによると、これはバグでできるようになってるらしい。」
act.1はこのバグのせいで回収された。
今では、法律でact.1を所持することは禁止されている。
つまり、あたしの存在は法律に違反しているのである。
今思うと、何故マスターはあたしを返さなかったのだろうか。
いわゆる『本命』だからだろうか。
「そうなんだ…。あのさ、それってどうやってやるの?」
「うーん、なんか、『ちちんぷいぷい~』みたいな感じ」
「分かるようでわからん」
「まあ、そんな感じだ。でかいものほど時間を戻すとき疲れるけどな」
「じゃあ、やってみようかな」
あたしは、オレンジジュースを飲み干した。
「えいっ!!」
すると魔方陣が開き、みるみるうちにオレンジジュースの水面があがってきた。
「う、うわぁ。できたぁ…」
「一発目からカンペキだな」
あたしにもこんなことができたんだ。
「それで、このオレンジジュースを人間に変えるんだ」
「え?本体がいないけど?」
「『特定の場所の時間を戻す』ことができるんだから、アンインストールされた場所の時間を戻せばいいんだ」
「そういうことね。分かった!」
「実は、一回その場所で戻してみたんだ。でも」
「でも?」
「魔方陣を開いてる途中に気を失った。だから成功するかどうか、分からない」
「やってみせる。絶対に」
「でも、現実世界でやらないと」
「反転世界のレンが帰ってきてくれるだけで十分だよ」
「ありがとう」
リントは、とてもやわらかくてあたたかい希望に満ちた笑顔をみせた。
次回に続きます。
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