【私を追いかけるライヤの足音が聞こえるけど もう、いい。
私は全力疾走して、家に帰って即鍵をしめた。】

そんなことを書いた現実に
そのすぐ翌朝、後悔した。

今日は学校だ。
必ずライヤに会うハメになる。
席が隣なんだから、会わない手段なんてもうないでしょ?

好きな人言われて勝手に聞いて逃げ出して。
ああああああ。私、昨日どんだけサイアクなことしたんだろ。

よく考えると私の行動、ライヤが好きなこと丸見えじゃん。
どうしよう、自分がこんなに馬鹿だったとは…


深々と脳を回転させていると
ミライの「ユメ、学校行こう。」という声。

仕方ない… 行かないとお母さんに怒られる。
何なんだろ、もう………


「っでね!隣のクラスのイチヤくんが… え、ユメ、大丈夫?」
「…っえ、あ、あ、ん、何でもないよ!」
「ぼーっとしてたけど…何かあった?」

―実は、ライヤってミライのことが好きなんだよ!

そんなこと言えるわけない。
自分で自分の傷口に塩を塗りこんでるようなもんだよね。
ライヤのことを考えて、ついボケッとなってしまう。

「う、ううううん!気にしないでー!話し続けて?」
「うん…。それで、そのイチヤくんがチョークを床に落としてね………」

ミライとの登校。ミライとの何気ない会話。
いつもは、ミライって《今日も可愛いな》って思ってた私が
今日は違う。
ミライって《どうやったらそんなに可愛くなるの?》って。


―キーンコーン...

「………………」
「………………」

気まずい。これは気まずい以外の何モノでもない。
気まずいというか、自分が一方的に避けていて
ライヤに何か話しかけられそうになっても無視してる。


「…っあのさ」
「………………」
「ユメさ、俺何か言った?」
「……………え?」

「いや、さ、何か俺のこと避けてるだろ。」
「………………」
「だから、俺、ユメに何か傷つくことでも言ったかなぁーって…」

《そんなこと言ってないよ!》
そう否定するつもりだったけど、実際言われている。

バカ!バカ!バカ!!!気づいてないなんてね。
私は昨日すっごい嫌な思いしたのに。

~やっぱミライとユメは違うなー!~
私は、ライヤのことが好きなのに…。


「何か言ったなら謝る。でも、俺ユメと普通に仲良くしたいし」
「…ん」
「だからさ、その、昨日までみたいにしようぜ?喧嘩したり下校したり。」

「…うん、わかった。ゴメン、避けたりして。ちょっと思いどころがあってさ」
「え、俺なんか言ったなら言って。鈍感で、そういうの疎くて」
「ん、なんでもないよ。私の諸事情だから、気にしないで?」

「ok。あ、他の奴のことでも言って。」
「え?なんで?」
「………いや、やっぱ友達だし、大切にしたいしさ。」
「…あ、うん。アリガト。」
「おう。」


(( 友達だし )) (( 大切にしたいし ))

天国と地獄を行き来するような言葉。
本当にライヤって恋愛に疎い。

ライヤの中の私って、一体何なんだろ?

友達?喧嘩相手?守りたい存在?それとも………


仲直りできたのは嬉しいけど
わからないよ。ライヤのこと。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ユメ、ミライ【第3話】

早速3話ー!!
指が進みます(^o^)/←

次回は新キャラ登場なうなうなうry
ユメとミライのお話書くのめっちゃ楽しェ

閲覧数:129

投稿日:2012/12/24 21:21:07

文字数:1,323文字

カテゴリ:小説

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