【ミクちゃんは、戻ってくる。だから、お前が泣くんじゃない】
【でも、ミクちゃんも、リンちゃんも、レン君も、ミクオ君も、それにルカちゃんまで・・】
何・・この夢。
【ミクは戻ってくると、ずっと言ってるだろう】
【根拠の無い事ばかり言わないで!だって、ミクちゃんは、ミクちゃんは・・・】
【ごめんな、メイコ。だが、これは、もう、信じるしか・・無いんだ】
お兄ちゃん?お姉ちゃん?ねえ、私。此処に居るよ。
ほら、ねえ、戻ってくるって、どういうこと?
【またあのニュースだ】
その夢の中に居るお兄ちゃんは、ついているテレビを見る。
【本当に、世の中に何が起こっているというの・・・?】
【世界中の10代から20代の人が、次々と寝たまま起きなくなってしまう症状が起こっている】
【このままじゃあ、私も、カイトも・・・こうなってしまうの・・・】
何これ。現実?これは私達の元居た世界・・・。
私達の世界で、何が起こってるの・・・?。
教えて、誰か、誰か・・・。
「ミクちゃん!」
「うひゃあああ!!!」
目が覚めると、其処は私の家で、私の部屋にあるベッドの上に、私は寝ているはず・・・・だった。
私はベッドから落ちていて、私のベッドの上にはリンちゃんが立っている。
「もう!休みの日だからと言って、何時まで寝てるつもりなの!」
「え?今何時?」
「今は12時。もう昼なの。メール送ったと思ったら返事来ないし。で、さっきうなされてる様だったけど、何があったの?」
「ああ、さっきね、夢を見たの。なんか、お兄ちゃんとお姉ちゃんが居てね」
「メイコさんと、カイトさん?」
「うん、でね、なんか、それは、私達の元々居た世界の話で・・・」
「うん、分かった。もうそれ以上話さないで」
そう言ったリンちゃんの目はいつも以上に悲しそうだった。
リンちゃんは、もしかしたら、あの世界が嫌だったのかもしれない。
リンちゃんと私は歳が違うから、別の学年。
しかもレン君とは違うクラスだから、何が起こってるのかも分からない。
もしかしたら、いじめられているのかもしれないけど・・
本人が話さないから、分からない。
「リンちゃん。これは、重大な話なの。私達の何かに関係する話なの!」
私は、リンちゃんに歩み寄っていく。
「やだ、来ないで!!」
リンちゃんは、私にそう言う。
「嫌だもん、あんな世界。無くなっちゃえば良いもん。ねえ、ミクちゃんはあんな世界より、此処の方がいいよね」
「ごめん、リンちゃん。確かに、こっちの世界は、魔法も使えるし、楽しいよ」
「それなら・・・!!」
「でもね、私、普通が、良いの。この世界には、何かが足りないの」
「足りないものは無いよ、ほら、何かしようとしたらこの魔法で出るもん。ほら」
そういって、リンちゃんは魔法を使う。
「そう言う事じゃないの。何かが、何か分からないけど、何かが違うのに気付いたの」
『おやおや、貴方は気付いてしまいましたか。この世界の真理に』
「誰・・・」
私はあたりを見渡す。
『こ~こで~すよ~。ふふふ』
気付けば、あたりは真っ白で、何も無い。
でも、私はそれに構わず。その{話してる者}に話しかける。
「この世界の真理って、何?」
『軽々しく教えるわけ無いじゃないですか、そもそも、貴方はもう、それに気付いてるのですから』
「体が、何処か違うの。何かが、違うの」
『それが答えですよ』
「体が、いじくられている?」
『そうですよ、魔法が使える様に』
「元の体に戻して。私は普通が良いの」
『そうですかぁ~??貴方は、魔法を使いたいと願ったから、貴方は此処に招待されたのですよ?それに、その改造を戻すというのは、この世界への反逆行為ですよ?という事は、分かりますよね?』
「・・・・この世界に居る全員から狙われる」
『そうです。全員改造されているから、操れるんですよ。じゃあ、さいなら~』
「・・・・!」
気付けば、リンちゃんは私の首を絞めている。
「ねえ、ミクちゃん。私には、この世界しか無いんだよ」
「リ・・・ンちゃ・・・ん・・・・」
「何よ・・・!」
「リンちゃ・・・んは・・・それ・・・で・・・・いい・・・の・・・?」
「私が、あの世界でどんな扱いを受けてたかも分からないくせに!」
「そう・・・だよ・・・・言われ・・・な・・・いと・・・わか・・・らない・・・よ」
「・・・・・」
私がそう言うとリンちゃんの手は緩み、リンちゃんは話し始めた。
「私は、学校が嫌だったの。普通が、嫌だったの。何か、設定が、普通じゃない設定が、欲しかったの。でもね、皆は言うの。『夢ばかり語ってないで、現実を見なさい』とか、『そんな事、あるわけ無いじゃん』とか、酷い人なんて、私を避けて、話そうともしなかった。確かに、現実を、"普通"を見なくちゃいけない事くらい、分かってる。でも、私は、"空想"を、見たかったの。駄目だね。私。これじゃ、ちゃんとした、大人になれないや」
「そうじゃないよ。リンちゃん。私は、空想ばっか見てても、良いと思うの」
「何で?」
私は、半信半疑に聞いてくるリンちゃんに、こう言った。
「うん、空想があるから、リンちゃんは生きていける。私ね、リンちゃんから聞く、空想の話。大好きだよ。だって、それがリンちゃんの個性で、大切なリンちゃんという存在の一つ。だからさ、もう、此処に居るのは、やめようよ・・・。此処は、とても、とても危険な感じがするの。時期に、皆を、此処から現実へと、戻さなければならないの」
「現実へ・・・・うん、分かった!」
「まずは・・・方法を見つけなきゃ・・」
こうして、私達の、元の世界へ帰る為の、過酷な戦いが、始まるのであった。
夢の魔法世界【逃げたしたい世界】
リンちゃん少し病んでません?
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