「・・・ミク。ありがとう。だいたい分かった。部屋に戻って休むといい。
エネルギーが減っているだろう?」
カイトがなおもうつむきながら言う。
「カイ兄はどうするの?」
「・・・独りで居たい。・・・今は。」
その返事をきき、リンとミクは部屋を後にした。

部屋に出てもミクは何も話さなかった。話す勇気がなかった。
不意にリンが話しかける。
「ミク姉、この施設の案内するよ。ついてきて!!」
そう言ってリンが走り出したので、慌ててミクも走り出した。
少し行くとエレベーターのドアが見えた。
リンはエレベーターのドアの前まで来ると、クルッと向きなおった。
「エレベーターから見て、右側に修復室が6部屋。左側にモニタールーム。」
そういってリンは左のドアに入っていった。
「外のモニターはほとんど壊されちゃって・・・残ってるのが一台だけなんだけど・・・」そう言いながらリンは手探りで電源のスイッチを探し、押した。
すると、瞬く間に部屋の明かりがつき、同時にモニターの電源もついた。

「右半分が施設内のモニターで、左半分が外のモニター・・・・ってあれ?カイ兄まだあそこにいる・・・」

リンが言ったとおり、60くらいあるモニターの右半分は全てつき、左半分のモニターは一つを残して全て砂嵐状態になっている。
ミクは残った一つの外のモニターに目をこらした。
そこには確かに人影がみえる。
「リンちゃん・・・変だよ・・・。外に誰か居る・・・」
「え?そんなはずないじゃん・・・NOIS反応も出てないんだよ?」
「そうだけど・・・確かに居るの・・・三人。」
「どれどれ~」
半分信じていない様子でモニターを覗き込む。
「!!!!!?」
リンは目を見開き、後ずさる。
そしてすぐにヘッドフォンに手をあて、狂ったように叫んだ。

『みんな!!!聞こえる?!!帰ってきた・・・帰ってきたのよ!!!・・・デル兄達が・・・・・やっと!!!!!!!!!』

その瞬間、部屋のドアが勢いよく開く・・・メイコだ。

「ほんと?リン!!ホントなの!!!!?」

リンは興奮した様子で、モニターを指さす。
メイコはモニターを見るなり、気絶しそうになった。
いつの間にか、モニタールームには全員が集まっていた。
9人はエレベーターに乗り込み、地上に向けて出発した。
続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

緑閃 漆

デルとネルとハクは個人的に好きだったので・・・・

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投稿日:2009/09/06 17:42:25

文字数:965文字

カテゴリ:小説

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