~♪ ~! ~♪
「?」
「あれ、まさか…」
闇と喧騒のあいだを割って朗々と響く歌声。
広場の中心にひとり立って唄う男。
多くの人が行き交う広場。
男の特徴ある歌声に、多くの者が振り向いた。
私も、そのうちのひとりだ。
日は落ちて、あたりはいっそう冷え込んできている。
しかし、と、家路へ急ぐ足を止めた。
男の声と、その風体に強い既視感を感じる。
声が響くその近くへ歩みを向けた。
幾人かが、男を遠巻きに囲んでいた。
凍えるほど冷え切った地べたに座り込んで聞き入る者も少なくない。
中心に居る男は、目を閉じ、流麗な早口で異国のことばを唱えるように唄っている。
(ところどころで我らの自国のことばらしき歌詞も聴こえる。)
二度、三度とくりかえされ、くりかえすたびに上下する旋律に、私の鼓動も早くなっていく。
間違いがない。
”彼”には、きっとすでに唄うこと以外への興味が失われている。
食べていないのだろう。
細く削げた頬。
とがっているだろう顎は、十重二重に首周りにまかれた青い布地に埋まっている。
青い、その色は全身に及んでいた。
寒さを避けるためにだけとしか思えないほど、選ばず、無造作に重ねられた布地。
足元からは女物と思えるような布柄の服地も覘く。
統一されているのは、その色、濃淡さまざまな青をまとったその体格は”変わらない”。
”彼”は、ちいさなころから青が好きだった。
ずっと隣に居た、私の背を抜き逞しく成長してもそれは変わらない。
変わらなかった。
のこされた私たちは変わらないことに安心しきっていて、だから、”彼”が出て行ったときにあんなにも右往左往したのだ。
”彼”のユメ。
ふた親との最後の喧嘩。
”彼”が言い残したこと。
(理解できなかった。)
わたしに触れた指。
「~~!」
たまらず名を呼ぶ。
”彼”は、”わたしの弟”は、ひゅっというような音を立てて歌を止め、口を閉ざす。
閉じられていた目がゆっくりと開く。
永く知っていた三白眼がそこにあった。
私の知らない、濁った光を宿して。
ここは、新宿東口駅前広場。
広場(Pane dhiriaから)
ゆうべから nicovideo/nm9437578(新城P)を、繰返し繰返しきいてしまって出来ました。
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Kurosawa Satsuki
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