「お菓子くれないとイタズラするよ?」











町はオレンジ一色に染まり

かぼちゃがくりぬかれ

仮装パーティーが始まる







毎年恒例のハロウィン行事

だけどはっきり言って俺はそんな行事に興味はなかった。
で、そんでもって今日は学校の文化祭。

今年はたまたまハロウィンと重なっただけに、盛り上がり度が例年とは比べ物にならないほどすごい。
めんどくさがり屋な俺は、基本的になんにもしないけど。

『皆さん今から開会式を始めます。席について静かにしてください。』

ざわざわとしていた体育館が一瞬静かになった。




いつものお決まりコースで最初は吹奏楽部が演奏し、つぎにダンス部の発表がある。
終盤には皆が一番楽しみにしている『個人発表』というものがある。

希望者が、バンド組んで歌ったり、漫才をやったりする。

今年は誰がどんな事をするのか。めんどくさがりな俺でも、さすがにこれには興味をもった。
で、今年は誰が登場するかというと・・・・。



『では、「KURIPUTON☆」の皆さんどうぞ!」



金髪の少女と他数名がでてきた。
そう、おれの彼女がでるのだ。

まず、こんな俺に彼女がいるというところが驚きだと思うが、それがいるのだ。
鏡音リンという校内でも美人と有名なこの少女が、去年のハロウィンに告白してきたのだ。
驚きだった。

で今日は恋人成立一周年ということなのだ。

彼女と初音と神威が歌ったのは鏡音が作詞・作曲したというハロウィンLOVEソングだった。

普通に上手かった。
『ありがとうございました~!』


一斉に皆が立ちあがった。
次は自由に出し物を見ていいのだ。

屋台なんかはないがハロウィンだけに、お化け屋敷だけはあった。

特に一緒に行くやつもいないし、鏡音を誘おうと思ったが、ふいに彼女の言葉を思い出した。

《私、お化け屋敷でお化け役するんだ!だから・・・ごめんね。一緒にはまわれないんだ。》
確かそう言っていた。

しょうがない・・・一人でまわるか。
一年・二年・三年の発表を順々に見てまわり、残すところはあと一つ、お化け屋敷だけとなった。


こう見えて意外とおばけとかには弱い。


この学校のお化け屋敷がどんなものなのかは想像もつかなかったがきっと恐いんだろう・・・・(泣)
いや・・・でも鏡音がお化け役をやると言っていたし、ここであきらめるとは男のプライドが許さない!

ということで、勇気を振り絞って入った。





中は想定よりも恐くはなかったがすごく完成度が高かった。
俺じゃ絶対こんなものはつくれないと思った。


この先は一段と暗くなっているようだった。

一人ずつ入れ。と言われた。

前のところより恐かった。

あともうすぐで、出口だ。

と思った瞬間だった。



君が出てきて、僕の唇にキスをしたのは。















『愛してくれないとイタズラするよ?』









ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

『愛してくれないとイタズラするよ?』

お久しぶりです~☆ミ
ハロウィンのお話にしようと思ったら、なんか違う路線に・・・。
レン君視点のつもりです!

閲覧数:202

投稿日:2011/10/30 14:58:23

文字数:1,246文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました