沈黙~その考察の断片
僕は沈黙を聞く
ひたひたと揺れる水面に漂い
風と波に溶け出す感情
走り去る青天の霹靂
嗚呼、これ程にも五月蝿いのか
僕は沈黙を聞く
言葉が零れ落ちる玻璃幻想
恍惚としては澱み
思考を遮る骨の城壁
嗚呼…歴史の彼方で手招く
それは死しても鮮やかな郷愁
噎せ反る紅の艶姿
僕はひとひら涙する
瓦礫の台座に跪き
ただ祈りを口ずさみ…
僕は沈黙を呼ぶ
初めての言葉を歌に込めて
喉を破る亡霊の声
切り裂いた霹靂の剣よ
嗚呼、これ程にも五月蝿いのか
何故、これ程にも…?
この歴史の繁雑な声と
燈る光の意味を辿るなら
今一度目を閉じれば良い
ただそれだけで沈黙が
語り始める その刹那に
残響の大海に溺れて…
波に溶ける その刹那に
風に溶ける その刹那に
沈黙の狭間に…
-現在も溺れ続ける-
嗚呼…歴史の最中で人は
暮れ行く時の淵に身を晒し
行方も知らずに目を閉じる
遠雷は詩歌を紡ぎ
澱みが波に綾を成す
大いなる沈黙に溺れて…
…溺れて…
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ぼくはちんもくをきく
ひたひたとゆれるみなもにただよい
かぜとなみにとけだすこころ
はしりさるせいてんのへきれき
あぁ、これほどにもうるさいのか
ぼくはちんもくをきく
ことばがこぼれおちるはりげんそう
こうこつとしてはよどみつつ
しこうをさえぎるほねのじょうへき
あぁ…れきしのかなたでてまねく
それはししてもあざやかなきょうしゅう
むせかえるべにのあですがた
ぼくはひとひらなみだする
がれきのだいざにひざまずき
ただいのりをくちずさみ…
ぼくはちんもくをよぶ
はじめてのことばをうたにこめて
のどをやぶるぼうれいのこえ
きりさいたへきれきのつるぎよ
あぁ、これほどにもうるさいのか
なぜ、これほどにも…?
このれきしのはんざつなこえと
ともるひかりのいみをたどるのなら
いまひとたびめをとじればいい
ただそれだけでちんもくが
かたりはじめる そのせつなに
ざんきょうのたいかいにおぼれ…
なみにとける そのせつなに
かぜにとける そのせつなに
ちんもくのはざまに…
-いまもおぼれつづける-
あぁ…れきしのさなかでひとは
くれゆくときのふちにみをさらし
ゆくえもしらずにめをとじる
えんらいはことばをつむぎ
よどみがなみにあやをなす
おおいなるちんもくにおぼれて…
…おぼれて…
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