S1
眠る終のその最後馳せた
雪茜忘れゆく時に儚く
溶けゆくその跡に焦がれ
追憶の朱は鮮やかに流れる
A1
暮れはじめた空の果て
どこかにいる貴方をみる
B1
やさしくささめく
不香の花は
等しく愛しく
降りつもる
S2
恋を抱いてあたたかに沈む
薄明に束の間の逢瀬ほのかに
変わりゆくも氷晶に遺す
幼さのふたりたおやかに鈴鳴り
A2
約束事うずもれて
何もかもに届かなくて
B2
まぼろしまどろみ
灯ともす頃に
ひとときうたかた
とりこぼす
S3
夢のさかい追いかけて滲む
ゆうさりに影法師見つけ微笑む
惑いに冬の音が揺れて
またたけばやがて穏やかな星霜
C
しんしんととめどなく
すべては純白へと
時廻り一廻り
心廻らせ
S4
眠る終の物語途切れ
雪茜あまりにもそれは綺麗で
見惚れて攫われて隠れ
宵の口しとやかに ほらね 閉じゆく
——ひらがな——
S1
3 3 5 3
5 8 4
3 3 5 3
5 8 4
ねむるついのそのさいごはせた
ゆきあかねわすれゆくときにはかなく
とけゆくそのあとにこがれ
ついおくのあかわあざやかにながれる
A1
6 5 6 6
くれはじめた
そらのはて
どこかにいる
あなたをみる
B1
4 4 7
4 4 5
やさしく
ささめく
ふきょおのはなわ
ひとしく
いとしく
ふりつもる
S2
3 3 5 3
5 8 4
3 3 5 3
5 8 4
こいをだいてあたたかにしずむ
はくめいにつかのまのおおせほのかに
かわりゆくもひょおしょおにのこす
おさなさのふたりたおやかにすずなり
A2
6 5 6 6
やくそくごと
うずもれて
なにもかもに
とどかなくて
B2
4 4 7
4 4 5
まぼろし
まどろみ
ひともすころに
ひととき
うたかた
とりこぼす
S3
3 3 5 3
5 8 4
3 3 5 3
5 8 4
ゆめのさかいおいかけてにじむ
ゆうさりにかげぼおしみつけほほえむ
まどいにふゆのねがゆれて
またたけばやがておだやかなせいそお
C
5 5 4 6
5 5 7
しんしんと
とめどなく
すべてわ
じゅんぱくえと
ときまわり
ひとまわり
こころめぐらせ
S4
3 3 5 3
5 8 4
3 3 5 3
5 8 4
ねむるついのものがたりとぎれ
ゆきあかねあまりにもそれわきれいで
みとれてさらわれてかくれ
よいのくちしとやかにほらねとじゆく
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