夏の匂いを辿り駆け出せば
淡い明かりが灯り
遠く聴こえるは祭り囃子か
古き想い馳せる
波を眺めた夕暮
港歩く少女の憂う目
ピント合わないレンズの様に
輪郭が見えなくって
箸を掴んだ薄い手
笑う顔に映えるその黒い毛
ピース合わないパズルのように
そっと崩れだした
夏の匂いを辿り駆け出せば
淡い明かりが灯り
遠く聴こえるは祭り囃子か
古き想い馳せる
独り残した君の側には
どこかで見た様な顔つきの子供
少し考え思い出した顔は
鏡に映る僕自身の顔だった
こんなに健やかに
育ってくれたね
愛しい二人の
先祈るばかり
僕にはこうして
見守る事だけ
年に一度きりの
透明な季節に
時は束の間に過ぎて
回る夏もあれからもう何度目
腕に抱かれてたあの子も今は
もう大分大きくなって
君と過ごしたあの家
一人減って止まる時計の針
既に役目を終えた部屋は
そっと終わりだした
夏の匂いを辿り駆け出せば
淡い明かりが灯り
遠く聴こえるは祭り囃子か
古き想い馳せる
夏の匂いを辿り駆け出せば
淡い明かりが灯り
遠く聴こえるは祭り囃子か
古き想い馳せる
夏の匂いを辿る
淡い明かりが揺れ
近く聴こえる君の
懐かしい透き通る様な声
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