クオが微笑む、その顔が、カッコいいと思ってしまった。
でも私達はもう終わったんだ。
昔みたいに楽しかった時にはもう戻れない…。

私は考えていることを顔に出さないように、とりあえず何か話そうと思い、クオにかける言葉を探した。
「あ、あのさっ!ちょっとだけ、わがまま言ってもイイ?」
「どーぞ」

あぁもう!
私ったら何を言っているんだろう。
仕事でわがまま言うとかどんだけ自己中な人なの!

と、思いつつも、クオはいいと言っているのだからと、言葉を続ける。
「暇なときさ、勉強道具持ってきてもいい?」

どうでもいいわたしのわがままに、クオは「はぁ?」という顔をしている。
…あたりまえだけど。

「…仕事中に勉強すんのか?無駄に熱心だな」
「え、だって、仕事始めちゃったら勉強時間がなくなっちゃうから」
「あそ。ま、いんじゃね?俺の部屋いる時間長いし、暇だもんな」
「いいの!?ありがとう!…あ、ごめん今日はちょっとこれで…。失礼しました」

私はまだあってない使用人さんたちに挨拶をしたいし、それだけ言って、部屋を出た。
扉を閉めている途中、クオが少し顔を赤くして小声で何か言った。
なんて言ったかは聞えなかったけど。

「またミクの近くにいることができるのか…!でも…、今の俺には…」


トライアングル * 第7話 *


「はじめまして。きょうから毎日午後、おぼっちゃま付きのメイドになった、初音ミクです。よろしくお願いします」
私は、使用人の人たちに、名簿を見ながら挨拶に回った。

皆に一言づつ言ってもらっているけど、何人かが同じようなことを言っている。

「ミクオ様は使用人にはちょっとキツイとこがあるけど、根は良い人だから、仲良くなれたら楽しいと思うわよ。…私は仲良くなれてないけど」
「ミクオ様、良い人だから、道のりは厳しいかもしれないけど、仲良くなれるといいわね!」

など。でも、私はこの言葉の意味がよくわからなかった。
だって、クオはさっき、別にキツクなんか…、あ…、でも、私だって気付いてない時、「キモイ」って言われたっけ。

……じゃあ、私は『特別』なの?

あともうひとつ、何人かの使用人に言われたことがある。それは…、

「ミクオ様と、あまり仲良くなり過ぎない方が、身のためかもしれない…。あ、ううん、なんでもない!さっきのは気にしないで!頑張ってね」
「ミクちゃんは可愛いから、ミクオ様に気に入られちゃう可能性があるな。そしたらまた…、…ミクちゃん!ミクオ様と絶対に仲良くなるなよ!ミクちゃんみたいな可愛い子がまたやめちゃったら俺、仕事の楽しみがなくなっちまう!」
「おぼっちゃ付きのメイドになった以上、覚悟しといたほうが良いよ。まぁ、楽しく過ごすためには、ミクオ様と仲良くならないことー…」
など、クオと仲良くなるな、ということ。

…どうしてだろう?
しかも「またやめられたら」って。
クオと仲良くなったら何か悪いことでもあるのかな?

でも私、おぼっちゃま付きメイドだし、仲良くならなきゃ楽しくないでしょ。
せっかくの人生初就職なんだから、楽しく、長続きさせたいよね!
なんかあったら嫌だけど、やっぱり仲良くなって楽しくやろう!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

トライアングル * 第7話 *

うぁー…
毎日投稿したかったのに、、できなかった;;

でも、書いてなかったわけじゃないんだよ!
昨日は家にいなかっただけで…

閲覧数:145

投稿日:2012/04/22 08:18:18

文字数:1,337文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    おお!謎がでてきた~ww
    はたして、他の使用人たちが言っている言葉の意味とは!ww

    家にいなかったのか!
    なら、セーフだ!wwww

    2012/04/22 23:47:21

    • 亜梨亜

      亜梨亜

      あぁ、、少しでも楽しんでもらえているようで(?)よかった。。

      やっぱり小説には少しくらい謎を入れないと楽しくないよね!w

      セーフ?
      なら良かったww
      土曜に家にいた時間は24時間で見ても約3時間www

      2012/04/23 20:17:03

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