不器用な私の、初めての恋が終わった…
でも後悔はしてないよ
あの日の私を変えてくれたのは
紛れもないキミだから
だから言えるよ
「キミに会えて、良かった」って……
オリジナル変換小説No.1
『初めての恋が終わるとき』 作詞・作曲:ryo様 唄:初音ミク
冷たい風が頬かすめ、
寒いね、なんて、お互い笑いながら
いつも通りキミと帰り道を歩いてた
本当はキミに彼女がいること、知ってた
だけどキミは私の傍にずっといてくれて、
辛くなったら慰めてくれて、
楽しかったら一緒に笑ってくれて、
そんなキミに、実は惹かれてた私がいる
だけど、このまま笑えなくなるなら、傍にいられなくなるぐらいなら
って、ずっと言えなくてもう3月
この気持ちに気づいたときはまだ暖かかったはずなのに、
もうこんな季節なんだ…
どうせ、前から決めていたことだからこれでいいんだ
自嘲を含んだ笑いが零れそうになるのを抑えて
隣に歩くキミの顔をチラッと見て、貼り付けた笑みを零す
イルミネーションで輝く街並みを見て思うのは一つ
‘これからもこんな風に続いてほしい’
たったそれだけで良かったのに
そう思ってた矢先、‘いつも’の日常が、何かが、壊れる音が聞こえた
「嘘、だよね…?」
「…ごめん……」
儚く笑うキミの口から零れたのは残酷な一言
きっと冗談、そう思いたくて、そんな不安を取り除きたくて、私は尋ねてみた
でも、返ってくるのは謝罪の言葉ばかり
「…約束…したのに…」
「…ごめん」
‘上京する’
でも、「二人共ここに残っていつも通りの毎日を送ろう」って約束したのに
だから、私は、想いを告げなかったのに…
どうしてこうなったの?
「……っ……て………な……」
キミが何か言ってるけど、もう頭がぐるぐる回って何も考えられない
それでも伝えなくちゃ、って、必死に言えたのは、
「見送りに行くから……」
それしか思い浮かばなくて
「……おう…ありがとな」
そのとき私は、笑顔で言えたのかな?
キミを傷つけずに済めたのかな?
覚えてるのは、3日後に出発することと、今年初めての、冷たい雪だった…
本当は、
キミの好きな色のマフラーあげようと思ったんだ
初めて作ったから綺麗にできなかったけど
でもね、こうやって少しずつキミのことを知って、少しずつ私のことを知ってほしかったんだ…
どうしたら渡せたんだろう?私の意気地なし…
でも怖かったの
嫌われたくなかったから、ずっとこのまま続くと思ってたから
そんなことを考えてたらもう3日後
時間って永遠じゃないんだよね、どれだけ考えてもキミにかける言葉が見つからない
約束しておけば、離れないとでも思ってたの?
いつかはこんな日が来るなんてわかってたじゃない
なのに…
キミの見送り、私以外に誰もいない
きっと彼のことだろう、周りの人たちに言わないで行こうと思ってたに違いない
…それじゃあ、私があの時傍にいなかったら……ううん、最後くらい笑顔でキミを見ていたい
「……気をつけてね…?」
「そっちこそな」
微笑むキミを見て、胸が苦しくなる
こんな何気ない会話が、最後なんて、嫌だよ…
列車が来ることを告げるアナウンスが流れる
まだ言いたいこといっぱいあるんだよ…?
いままでありがとう、とか、連絡ちょうだい、とか
それにまだ、あなたに好き、って伝えてないのに
ねぇ、さよならって、こういうこと…?
列車が来た
もう別れの時間はすぐそこなのに
「……この手を離してよ」
なんでそんな辛そうな顔で私を見るの?
なんでそんなに優しいの?
期待、させないでよ…
ねぇ、私の想い、聞いてくれるかな…?
「あのね――」
言いかけた唇
キミとの距離は0
辛いよ、苦しいよ、…行かないで――
抑えてきた想いが溢れだす
もう言葉はいらないから
お願い、ぎゅっとしていて…
「さよなら…」
来年の今頃には
どんな私がいて
どんなキミがいるのかな?
少しでも、変われてるのかな?
‘大好きでした’
はじめてのキスは涙の味がした
まるでドラマみたいな恋
見計らったように発車のベルが鳴った
fin...
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kr-KuuRa
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