「ここに居てもいいよ」って言われる そんな優しい夢を見たんだ
薄氷(うすらい)の砕ける音が響くのを 君と暁に聞いたんだ
線路は絶えてホームに降りた旅の終わり
思い描いてた感情や展開はなくて
明星、朝、鳥の鳴く声 ここは冒険談のターミナル駅
望むものはすべて手に入れて 大切な何かをなくした?
胸は熱くでも風に冷たく こんな感情を何と呼べばいい
訪れるエピローグではなく ただ きれいすぎる夜明けに泣いた
「これで終わりなんだな」って君が言う 言わずもがなの寒い真実
それで絶滅したはずの感情が 解けだすのを感じた
気付いた、意味があったのは結末ではなく
皆で走ってたこれまでの道なのだと
氷解、音、昇る太陽 完璧すぎるほどの終着駅
夢見てた この旅が永遠(とわ)に どこまででも続くことも
瞼熱く心は震えてる こんな時何と言えばいい
あれほど望んだ夜明けは ただ 焦げるように眩しすぎただけ
落涙、雨、咽(むせ)ぶ咆哮 ハッピーエンドなんて結局は皆
物語を傍観(み)るだけの大量の “普通”の人のものだ
僕が無意味に戻る 「おしまい」を嗚呼どうすればいい
解け出した氷原のクレバス また そこへ呑み込まれてしまいそうで
「泣かないで そんなに泣かないで 私の愛しい友」
語りかけるセロのように優しい声は
「これは君の意味のない夜の終わりなんだよ」
「これからは新しい旅路が始まるんだよ」
「ターミナルまで来ても なに 簡単なことさ ここから折り返し運転すればいいんだ」
雷鳴、歌、さあ出発 ここは長い夜のターミナル駅
ガラクタたちの綴る神話 そこには僕らがいた
さよなら 昨日の僕ら 一人の夜に意味も理由もない
それを意味づけてくれたのは あの 輝けるような旅の夜だ
白煙、炎、空へ汽笛 新たなる冒険談の始発駅
この先の道は別々でも 重ねた夜を忘れない
さよなら ここで別れよう それぞれの明日へ折り返そう
もしまた世界に棄てられても 平気さ 奪えない居場所が出来たから
寂しい時は口ずさんで 歌を いつでもこの夜に帰れるよ
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