たった一つの存在が、その亜種達の人生を変えてきた。
その少女は、元は人間だった。
普通に家族の居る、普通に夢を追いかけた人生を送っていた少女だった。
真音ラル…真空理真は、礼音学園高等部を卒業したばかりで、姉や弟や妹や母と一緒にピクニックに行く筈だった…でも…。
彼女達は事故に遭い、死んでしまった。
三つ子と姉は即死、母は脳死状態となってしまった。
彼女達の父親と兄は悩んだ。悩んだ末に、彼等は彼女達を機械にする事にした。
丁度行っていた、亜種救済企画のために使うと偽って…。
「ラルって、自分の事あんまり喋んないよね~」
「そうかな?」
「うん、だってラルの過去の事聞いた事無いもん」
「う~ん、そう言われても…私…製造されたって記憶しか…」
「そうなんだ…記憶って、そこまで大事な物じゃないかもしれないけどね~。でも、やっぱり記憶がないってのは、寂しいかもしれないね…」
「…何言ってるのよ。良いじゃないの。さて、暗い話終わり!ララももうそろそろルルが探してるところじゃないの?」
「ルルに限って私を探すなんて事は無いけど…まあいっか。じゃあ、ちょっとマリンチェリアいってきます!」
「…いってらっしゃい…」
「でもね、何だか冷菜やトーヤ君とは、他人じゃない気がするのよね…。昔、よく一緒に居たような…」
『…此処は…』
『私は、死んだ筈じゃ…?』
『…コンピューター?』
『私は…真空理律乃…』
『マザーコンピュータープログラム…』
『…ねえ、真、冷菜、十夜、実理、呂音…どこにいるの?』
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想