※注意
・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・名前の捏造っぽいところがあります(がくぽ→樂十とか)
・自己設定の、架空のものが出てきます(例えば、妖怪だとか)。
・あくまで、イメージとしてとらえているので、モデルの曲とかけ離れているかもですが、ご了承ください。
・たまぁに、こじらせたのが出てきます;;
以上のことが、OK!という方だけお読みください。
ひゅぉぅ、という音が、化け物の口みたいに、ぽっかり開いた洞窟の奥から聞こえてくる。それは、まるで、1つの生き物が1つの固体として、脈を打っているようだった。
「‥ここが‥‥あの‥洞窟‥‥」
──‥怖そう‥なんかいたらどうしよう‥生きて帰ってこれるのか‥?本当に大丈夫なのか‥‥?
いろんな想いが海斗の頭の中を駆け巡った。
すぅっと、深呼吸をして、ゆっくりと目を閉じる海斗。彼の耳の傍を秋の木枯らしが通り過ぎていく。
──‥‥‥。
しばらくして、再びを目を開いた。
──‥大丈夫。怖くない。平気だ。行ける‥!絶対に、生きて帰ってくるんだ‥‥!
海斗は、そう決意し、松明(たいまつ)に火をつけ、それを片手に勇み足で洞窟へと入っていった。
ざっざっ‥という海斗の、草鞋の音だけが、洞窟の中に響く。闇の中で揺らめく松明の火が、どこか不気味な光を放っている。
「‥えーっと‥ここから左か、うん。大丈夫だ」
先ほどまでとは打って変わって、至って落ち着きのある海斗。それだけ、心の整理がついたのだろう。
ゴトリッ。
足を進めようとしたとき、何か硬いものが彼の足にふれる。
嫌な予感しかしない。見ちゃダメだ、強く脈を打つ心臓の音が、警告音のように、ドクンドクンと大きくなる。
──‥見たって‥ろくなことない‥‥!!
そう思いながらも、足に当たったものを松明で照らしてしまった海斗。それは‥‥。
「───っ!!」
海斗は、声にならない悲鳴を上げ、地図も見ずに、全速力でその場から駆け出した。
どこをどう通ったのか分からない、だが、あれは──。
「な‥‥なっんで‥あんなところにっ‥ひ‥人の骨が‥‥っ!!」
そう、海斗の足にふれたのは、木の枝でも、石でもなく、紛れも無い、人の白骨化した死体だったのだ。
『あの場所に行った者で‥生きて帰った者はいない』
樂十の一言が、今になって頭を過(よ)ぎり、今更怖さが込み上げてきた。
「‥ちくしょうっ‥!あんなものを‥見たからっ‥‥!」
松明をちらっと見た後、ダンッと、洞窟の壁に思いっきり拳を叩きつける海斗。
「‥大丈夫って言ったじゃないか。あんなものにビビっていてどうするんだよ‥‥。あれ以上のものが出てきたらどうする気だ。しっかりするんだ、僕‥‥!」
とは言ったものの‥‥。
「‥ここ‥どこ‥だっけ‥‥?」
さきほど、我武者羅に走ってきた所為(せい)で、どこをどう通ったのか分からなくなってしまったのだ‥‥。
「‥な、なにやってんだよ、自分‥‥」
そう言ってため息をつく海斗。
「あぁーもぅっ!どうするかなぁ、この状況‥‥。戻ろうとしたとしても──」
海斗脳内連想:地図を見る→元の場所に戻ろうとする→ここは洞窟→しかも迷路みたい→戻る前に迷う→更に分からなくなる→ずっと彷徨い続けr(ry
「‥やだぁーっ!!ちょっ、ここで彷徨いまくるとか、最悪の状況だ‥‥」
海斗の叫び声だけが、空しく洞窟にこだます。
──‥仕方ない。地図ばっかりに頼らないで、自分の力で行くか。
きゅっと口元を結び、松明を手に取ると、
「か~ご~め、か~ご~め♪かぁごのなぁかのとぉりぃは~♪」
いつか、芽衣子と一緒に、紅葉の木の下で歌った遊び歌を口ずさみながら、トコトコと洞窟の奥へと進んでいった。
「‥あれ‥なんか向こう‥明るい‥‥?」
暗い道を松明で照らしながら歩いていた海斗だったが、あるとき、奥のほうに、明るい光の差し込んでいる場所を見つけた。
「なんだろ‥‥?」
そう思って、そこに足を踏み入れたそのときだった。突然、足元の床が、ガラガラと崩れ、海斗は足を滑らせたのだ。
「‥‥っ!?おわぁっ‥!?」
崩れた岩とともに、海斗は、4メートルほど下の地面に叩きつけられた。
「‥‥っ!!ってぇ‥‥!」
叩きつけられた痛みに、後頭部を両手で押さえる海斗。体重の軽い、海斗だからこそ、衝撃がさほど強くなかっただけなのだが。
「‥って‥ここは‥‥?」
海斗は、なんとか立ち上がり、刀を手に取ると、周りを警戒しながら、足を進めたのだが‥‥。
「‥ていうか‥ここ‥‥どこだ‥‥?」
──‥しまった‥また迷ってしまった‥‥!?
なにやってんだ、自分‥二度も迷うとは‥‥てか、ここ‥宮殿‥‥?
海斗が落ちた場所──そこは、瑠璃色の岩で出来た、美しい宮殿。すべてが、青く、緑で、溶けるようで、そして、見惚れるほどであった。
「‥すごい‥‥綺麗‥‥」
松明をその場に置き、海斗は宮殿の奥へと足を進める。
「‥つーか‥これって、ほんとに洞窟の中‥‥?お城の間違いじゃ‥‥?」
半ばあきれ気味にそう言いながらも、海斗は、刀を脇に持ち、周囲を警戒しながら、周りを観察していた。
──‥ん‥?あれって‥もしかして‥‥っ!
一番奥の、台のような所に、赤黒い鞘に入れられた刀が、ひっそりと置いてあったのだ。
「‥紅ノ‥剣‥‥?」
──‥見つけた‥‥っ!あれだ‥‥っ!
そう思ってその台に近づこうとした、そのときだった。ざっと誰かが、台の前に現れた。
海斗は、その人物を見て、はっと息を飲んだ。
「‥うそ‥‥だろ‥‥?」
赤い簪(かんざし)、茶色の髪、紅葉の良く似合う、僕の大好きな女の子。
「‥めー‥ちゃん‥‥?」
その少女──めーちゃんと言われた少女は、ふっと意味有り気な笑みを、口元だけに浮かべていた‥‥。
コメント1
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ご意見・ご感想
enarin
ご意見・ご感想
今晩は!。続き、拝読させて頂きました!。
(彷徨ったあげくに死んでいっただろう)人骨に驚き、マップからロストして、迷ってしまった海斗君、そしてたどり着いたのは、謎の宮殿・・・。和風とは思えない建物であると同時に、何故、芽衣子さんがここにいるのか?。謎は深まるばかりですね。
しかし宮殿には、間違いなく刀がある。ここが目的地のはずですが・・・。
続きを楽しみにしております~♪。ではでは~☆
2010/07/22 18:38:22
愛夢☆ソライト
>enarinさん
ご拝読ありがとうございます!
>和風とは思えない建物であると同時に……。
そうですねぇ、ここで、ちょっと、異世界的な雰囲気を出したかったので、あえての宮殿にしました!
>何故、芽衣子さんがここにいるのか?
ふふふっ…←何…。そこは次回のお楽しみで^^樂十さんと、海斗の探り合い辺りの、なぜ出てきたのか分からない内容を読み返してみれば…おぉっと、これ以上はヒミツです☆
>しかし宮殿には、間違いなく刀がある。ここが目的地のはずですが・・・。
そうなんですよ?。目的地であることには変わりないのですが…そこもまたヒミツです☆
でゎ、作品の構想はできているので、時間があれば投稿したいと思います!
2010/07/23 21:58:02