「―もう夜か」
色んなことを考えたり、外を眺めたりしているとあっという間に時間は過ぎて時刻は午前0時だった。
「暇だなぁ」
そう呟いた瞬間、森のほうからパンッと銃声が聞こえてきた。
その銃声は一発に留まらず、少し時間をおいて二発三発と聞こえてきた。
「うっさいなあ…」
「ちょっと、レン!」
「なに、メイコ」
「森の人間追い払ってきてちょうだい」
「自分で行けば」
「あん?」
「いえ」
ドア越しにメイコに脅され、俺はため息を吐いてしょうがなく窓を通り抜けて森のほうへと向かった。
「どこだよ…」
森に来たはいいものの、全く人間が見つからない。
もう帰ったんじゃねえの?…と思いつつ、また銃声を何発も鳴らされたんじゃこっちもたまったもんじゃないので黙々と人間を探した。
「あとは…川の方か」
そう言えば、川の方を見落としてた。
そう思い、木よりも高く浮き上がり川の方を目指した。
「おっかしいな…」
浅瀬の川の近くに座りこんで、人間が来るのを少し待ってみることにした。
この森は比較的迷いやすい。迷った人間なら、川を探してここにたどり着くだろう。
刹那、後ろの茂みがガサガサと動いた。
慌てて振り返ると、自分の身体を通り抜ける何か。
―人間だ。
「はぁっ、はあっ…」
その人間は、息を切らせてそのまま森の奥に走ってしまった。
その人間が、銃を発砲した人間なのかを調べるべく俺は後を追った。
「はぁ、はあっ…」
よく見ると、その人間は少女だった。いや、少女と言っていいのだろうか。だがしかし、女性というには早い気もする。
よく見ると、その娘は裸足だった。
服は、生地が薄くて無地の水色のワンピースは、所々違う生地が縫い合わせられていてどう見ても凄く安物だ。
「はあっ、はぁ」
見たことろ、銃声は所持していない。
少女の前にまわろうとした時、後ろから銃声がした。俺の身体をまたまた何かが通り抜ける。―今度は銃弾だ。
「待てゴラァ!」
振り返ると、ガタイの良い男が3人。
男達は、汚らしい笑みを浮かべている。
「や、やだ!来ないで!!」
そう言った娘に向かって、男が発砲する。
放たれた銃弾は、娘の腕を掠った。
娘は腰を抜かしてその場に座り込む。
「や、だぁ…!」
「嬢ちゃんが悪いんだぜー?こんな森に迷い混んでよ」
「そーそー!この森に入りさえしなきゃあ…こんな怖いおじ様達に追いかけまわされることなんかなかったのになぁ?」
―あぁ、山賊か。
確かこの森の入口の方に山賊がいるんだっけ、と思いながら俺は山賊に近寄る。
「おら、立て!」
「い、いや!!!」
山賊に髪を掴まれて引きずられる娘。俯せだから、顔が見えない。
「人身売買」。俺が1番嫌いなことだ。生前、仲間が売られた。
そんなことを思い出しつつ、俺は娘を掴む山賊の腕を思いっきり捻りあげた。
「ぎゃあ?!」
突然のことに、山賊は尻餅をついて驚いた。
その尻餅をついた山賊の腹を踏みつけて、唖然としている二人の山賊を殴り飛ばした。
ガチンコで勝負したらきっと勝てないが、むこうには俺が見えないというハンデがある。
「な、なんなんだよ?!」
山賊はキョロキョロと周りを見渡した。
少しビビらせてやるために、周りの茂みを足で蹴ってガサガサと音を立てる。
すると、山賊は面白いくらい飛び跳ねた。
「だ、誰だこの野郎!!」
怯える人間が面白くて、俺は続けざまに木の枝をバキバキと折った。
すると、山賊は恐怖で覚束ない足で走り去っていった。
山賊が去っていくのをポカンと見つめる娘の顔をヒョイッと覗きこむ。
俺は、その娘の顔を見て「え」と短い言葉を漏らした。
「嘘だろ………、…リン」
10年前の今日、俺が初めて恋に落ちた少女―…リンがあの日と同じ泣き顔で鼻をすすっていた。
-第3話END-
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