柔らかいオレンジ色をした羽毛布団に、

ぽたり、と透明な雫が落ちて滲む。


「……も…う…駄目、なの…っ?」

彼女は声を震わせて、小さく、誰にでもなく問う。

その答えは自分の中に存在し、涙になって頬を伝う。

「…こんなの…いや……」

途切れ途切れで、遠のいて聞こえる声。

最近はもう、言葉を拾えず、会話をすることが難しくさえある。

途切れ途切れに聞こえる言葉を自分の中で繋げ、言葉を返してきた。

だが、それさえも少し距離が離れればできない。

今もそうだ。

そして、追い打ちをかける、忘却の波。

「…忘れたくないよ…」


白い雪も、

それを踏んだ時の音も、

一度だけ行ったあの夏の海の波の音も、

君の声も。



3年前に行った海で、

私はなにをしていたの?

昔飼っていた猫の名前はなんて名前?

私の誕生日、なにをもらった?



なにもかも全てが消えていく中で、

君の笑顔だけが消えないで、

ずっとずっと、鮮やかに輝いてる。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

proof of life 3

proof of life
の3話目ですっ
今回は区切りが良かったので短め投稿です★

>カルミアさん
お、応援していただけるなんて本当に嬉しいですっ!!!!泣
一生懸命頑張るので
つたない文ですが最後までお付き合いください><
ぜひ曲の方も聞いていただけたら嬉しいです!!!!

閲覧数:271

投稿日:2009/08/01 06:47:20

文字数:433文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    切ないです。
    切なすぎます。
    もう本当に切なくて……

    リンが可哀そうです><

    2009/08/01 07:47:08

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