―ピピッ
目覚まし時計が鳴った。
昨日の夜から、ずっと今日のことを考えていたから、まだ眠い。
…だって、今日は君とのデートの日だから。
朝、一番最初に考えたことは君のことだよ。
君に気に入ってもらえるように、選んだ服。
鏡の前でチェックする。
ピンクのスカートに私のお気に入りの髪飾り。
切ったばかりの前髪に良く似合っていると思う。
「うん、可愛い。」
「あっ、もう行かなきゃ。」
早く君に会いたくて、少し駆け足で家を出る。
*************
待ち合わせ場所の駅前に着いた。
周りを見ると、君がすでにいた。
「ごめんね、待たせちゃった?」
「大丈夫だよ、僕も今来たところだから。」
そう言って、君は優しく笑う。
(やっぱり、かっこいいなぁ…)
君の笑顔を見ただけで、顔が熱くなる。
「あれ、髪切った?」
君が気づいてくれた。
「うん、似合うかな?」
「うん、可愛い…」
「ありがと…」
何か恥ずかしくて、声が小さくなってしまった。
でも、それ以上に嬉しかった。
「じゃあ、行こうか。」
「うん。」
私達は二人で並んで歩き出した。
色々なところに行った。
―急に雨が降りだした。
天気予報では、「晴れ」って言ってたのに。
「とりあえず、あそこに行こう。」
「!」
いきなり、君が私の手を掴んで走り出した。
初めて手を繋いだ。
…繋いだことになるか分からないけど。
「すごい雨だな…」
私は、鞄に折り畳み傘が入っているのを思い出した。
「あの…」
「どこかで傘買うしかないかな。」
…言えない。
「ん?どうした?」
「なっ、何でもない…」
傘を鞄にしまい直そうときたら、
「傘持ってるの?」
「…うん。」
「しょうがないから、入ってやるよ。」
君は照れたように笑って、私の手から傘をとる。
二人で半分この傘。
隣を見ると、君がすぐそばにいる。
君に触れている右手がすごく温かい。
―駅が見えてきた。
もう少しで君と別れなくちゃいけない。
…嫌だ、もっと一緒にいたいよ。
時間を止めて!
私が考えていると、君が私の右手を強く握ってくれた。
―君のことが大好きだよ。
だから、今すぐ私を抱きしめて…なんてね。
コメント1
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ご意見・ご感想
禀菟
ご意見・ご感想
可愛いなぁ…
乙女やね。
最近関西弁がまじっちゃうんだけど…ww
もう抱きしめる!!
ぎゅっとしちゃう!!←
2011/06/07 23:58:52