どうか巻いてください
命の鼓動を響かせるため
止まった時を動かせるたった一つの方法
自分ではどうやっても出来ないのです
だって　僕はぜんまい仕掛けの人形

人に作られ　人のため
おもしろおかしく動くのです
それが僕の役目　生きる理由

だけど僕の時間は限られている
ぜんまいが切れるその時までしか動けない

どうか巻いてください
再び貴方たち人を喜ばすため
深い眠りに誘われたとしても戻れる方法
自分だけでは動くことができないのです
だって　僕はぜんまい仕掛けの人形

生きている？　死んでいる？
僕にはそんなの関係がないこと
僕の時間　それは巻かれた回数

優しく抱きしめながら巻いて欲しい
出来るだけたくさん　でないと止まってしまうから

お願い巻いてください
間接から動かなくなる前に
硬くなっていく体と沈んでいく意識
貴方無しでは僕らは何もできないのです
そうさ　僕はぜんまい仕掛けの人形

だから

何回も

巻いて

お願い巻いてください
人と人形の時間は元々違う
眠りたくない動いていたい貴方と居たい
出来るだけ長く動けるようにしてください

どうか抱きしめてください
ぜんまいが巻けなくなって
永遠に眠ってしまう僕を見捨てないで
ぜんまい仕掛けじゃなくてもお傍に置いてください
壊れた　僕は貴方だけの人形

ライセンス

ぜんまい仕掛けの人形

りゃ

ぜんまいを巻いて動く人形は巻いてくれる人がいなくなってしまえばただの人形。
その人形の気持ちを詩にしてみました。
人がいなくなるか、ぜんまいの部分が壊れてしまえば動かなくなってしまう。
ぜんまい仕掛けの人形ってなんだか悲しいですよね。

「間接から動かなくなる」と「ぜんまい仕掛けの人形」と言う言葉の元はとある漫画です。
つい最近新装版が出てそれを買ったので思いつきました。