よみものうた

(台詞(口上)入れても面白いかも)

1a.
ひとつ、開けば、此の世の快楽。
ふたつ、譜面を、爪弾く如く。
みつつ、魅惑の、行間を。
よつつ、いつつと、紐解きて。

1b.
書物、弥栄に、踊りませ。
悦び、哀しみ、教えて賜れ。
頁、乱れて、繰る御指。
騒ぐ、脳髄、行き巡る。

1s.
目眩くよな、言葉の毒は。
果実のやうに、甘美ですので。
溺れ溺れて、いつそ此の儘。
共に逝くのも、好ろしいかしら。

＊

1a.
ひとつ、ひらけば、このよのけらく。
ふたつ、ふめんを、つまびくごとく。
みっつ、みわくの、ぎょうかんを。
よっつ、いつつと、ひもときて。

1b.
しょもつ、やさかに、おどりませ。
よろこび、かなしみ、おしえてたもれ。
ぺえじ、みだれて、くるおよび。
さわぐ、のうずい、ゆきめぐる。

1s.
めくるめくよな、ことばのどくは。
かじつのように、かんびですので。
おぼれおぼれて、いっそこのまま。
ともにゆくのも、よろしいかしら。

（未完）