グッズの購入を終え、会場に入る二人。二人は席について、購入したパンフレットを読んでいた。
「…グッズ販売は凄かったですね」
「そうですね。僕も最初にいった時は驚きましたよ。その時は何も買わなかったんですけどね」
「そうなんですか。ミクさんのライブって、…本当に、歴史があるものなんですね」
沢口が感心していた。沢口はライブの年表を見ている。かなりはしょってかかれているが、それでも長い。
「ミク、というよりボーカロイドのライブは、本当に歴史が長いです。ミクたちがアンドロイドとして生まれる前からやっているライブも歴史にふくめれば、僕の人生なんかよりよっぽど長い歴史ですね」
「安田教授はそんな長い間、ミクさんのライブをずっと見られてきて、どうでしたか?」
「もちろん楽しかったですよ。ミクたちのライブは、歌や音楽の他に、ミクたちの会場でのパフォーマンスも見ていて飽きませんから」
「確かにそうですね」
「きっと沢口さんも会場でのミクのライブをご覧になれば、病み付きになりますよ。あの何ともいない一体感は、会場でないと味わえませんから」
『みなさん、こんにちは』
その言葉にステージを見る二人。見ると、KAITOとMEIKOがいた。
「みなさん、今回はミクのために会場にお越しいただき、ありがとうございます」
KAITOが一礼をする。
「ミクもみなさんを見て、きっと喜ぶと思います」
MEIKOも一礼する。
「前節が始まりましたね」
「そうですね。これも恒例なんですか?お借りしたライブのデータにも入っていましたが」
「ええ、基本的にライブはそのライブをやるボーカロイド以外がやることがほぼ決まりになっています」
「そうなんですか。…あの、安田教授はお二人が前説の練習をされている所を見たことはありますか?」
「いや、ないんですよ。多分家で何を話すか位は考えてらっしゃると思うのですが、不思議と見かけないんですよね」
そんなことを二人で話している間も、会話が進んでいた。
「…少し前の話になりますが、バレンタインでは沢山のチョコをありがとうございました。この中に送られたという人はいますか?」
そのKAITOの問いかけに、少しではあるが会場から拍手が聞こえる。
「チョコを送ってくれたみなさん、本当にありがとうございました、チョコは皆で美味しくいただきました」
「チョコといえば、僕もめーちゃんからチョコもらったんだよね」
「そうよ、美味しかったでしょ?」
「めーちゃんがくれたチョコがまずかったことなんてないよ」
KAITOののろけのような言葉に、会場から笑いが起きる。
「それでね、今年のめーちゃんからのチョコには、手紙がつけいていたんだ、そこに書いてあった言葉は今でも覚えているよ。内容は確か…」
「か、KAITO、それをここでいうつもり?」
慌ててKAITOの口を塞ぐMEIKO。
「う、うぐ…。何で、口を塞ぐのさ、めーちゃん?」
「あれは、KAITOのために書いた言葉なの、それをここでいうなんて、いつもいっているけど、TPOをわきまえなさい」
「えー」
不満そうにいうKAITO。その様子に、会場から笑いが起きる。
「と、ともかく、ミクも今回のライブを楽しみにしています。それでは、開演までお待ちください」
無理矢理場をしめて、KAITOを引きずりながら引っ込む二人だった。
「そろそろ始まりそうですね」
「そうですね。楽しみです」
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