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そして、会計を終えて店から出る四人。
「これからどうするの?」
「…とりあえず、ホテルにもう一泊して、たっぷり寝て、明日帰る」
「…私と同じね。今はひたすらに寝たいわ。これからのことは、明日考えましょう」
「じゃ、またな」
「そうね、…これからも頑張りましょうね」
「愚問じゃねえか。そん...初音ミクとバースデーソング 16節(最終節)
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「ふー、食った食った」
食事が終わり、デザートのアイスクリームを一足先に食べ、今は水を飲んでいるホワイアンスPが満足げな表情で話す。
「…久しぶりにたくさん食べたわね。ミク、おいしかった?」
『はい』
一方、他の三人は、デザートのアイスクリームを食べていた。
「…そういえば、これからどう...初音ミクとバースデーソング 15節
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そして、一夜明けた。
初音ミクのバースデーライブは終了した。一息つく人もいるが、次の初音ミクのイベントに向けて早くも準備する人もいた。そんな日の夕方。会場近くの焼き肉店。
「…よし、一通りそろったな」
テーブルに揃ったメニューと注文したメニューを比較しながらホワイアンスPがうなずく。そのテー...初音ミクとバースデーソング 14節
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そして、バースデーライブの千秋楽は終了した。
「ライブ、楽しかったろ?」
高野が神波に問いかける、二人と、神波のミクは、ライブ千秋楽後のオフ会に参加するためオフ会会場に移動中だった。
「はい、楽しかったです!」
神波のミクが答える。
「シンは?」
「僕も楽しかったですよ」
「シン、だか...初音ミクとバースデーソング 13節
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そして、初音ミクのバースデーライブ千秋楽公演。今は前半の盛り上がるパートが終わり、ライブとしては一段落した所である。
「…さて、皆さん、今年も8月31日に、有志の方々が私のバースデーを祝福する企画をされてらっしゃったことをご存知でしょうか?」
ステージ上にいるワンオフのミクが切り出す。歓声で応える客...初音ミクとバースデーソング 12節
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「ただいま…」
8月30日の23時近く、一人の"初音ミク"が自分の家に帰ってきた。彼女はワンオフの初音ミクである。間近に控えた初音ミクのバースデーライブの公演の練習のため、連日遅い時間まで練習であり、それはこの日も例外ではない。
「ミク、お帰りなさい」
そのミクを、ミクよりやや年上に見える男性が笑顔...初音ミクとバースデーソング 11節
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一方、ホワイアンスPは、曲の収録が終わってからは編曲作業に入っていた。各Pのミクが歌った環境は、各Pごとに異なる。一部の音声を聴く限り、しっかりとした収録環境で歌ったと思われるPもいるにはいるが、大半は自室での収録であり、十分な収録環境ではないことをうかがわせる音声も多いあるため、必要に応じて補整を...
初音ミクとバースデーソング 10節
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そして、バースデーソング収録日。
「…、よし、三回目の収録いくぜ」
そういうホワイアンスP。バースデーソングの収録は、タイミングの同期を取る必要があるが、あらかじめミクにインプット可能なので、そこは比較的楽である。曲に合わせて自分のパートを楽しそうに歌う神波のミク。そうして曲を全て歌い終わる。
「…...初音ミクとバースデーソング 9節
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一方、ブラグレスP。
「マスター」
バースデーライブのメインテーマ曲の最後の調整をしているブラグレスP。調整する項目を見ながら険しい表情をしていたが、飲み物を持ってきたミクの声を聞いて、表情をゆるめる。
「…ミク、ありがとう」
そういって飲み物を受け取ったが、再び険しい表情で調整を再開した。
「マス...初音ミクとバースデーソング 8節
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「マスター」
「お、あんがとな」
ホワイアンスPのミクが、彼女のマスターに飲み物を渡していた。先ほどまで彼は、バースデーライブの自分の曲に関する用件をこなしており、そちらが一段落したのでバースデーソング関連の調整をしていた。調整をしている時の表情は、普段の軽そうな雰囲気を微塵にも感じさせない真剣な表...初音ミクとバースデーソング 7節
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数日後、神波も一人の男性と会っていた。
「シン、ミクさんのバースデーソングの方ははかどってるか?」
「はい、ミクも歌いやすい曲だといっています」
「ホワイアンスPが今回のために書き下ろした曲だからな、その辺は楽だろうな」
神波と話しているのは高野陸弥。神波の大学の先輩であり、その筋では有名なミク拝で...初音ミクとバースデーソング 6節
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一方、
「よう、お疲れさん」
「ホワイアンスPもお疲れ様」
ホワイアンスPは一人の女性と話していた。彼女のP名はブラグレスPである。
「相変わらず大変そうね」
「慣れちまったよ。それよりそっちだってプレッシャーは結構なもんじゃないか?」
「そうね。だけど、この程度ならなんとかなるわ」
...初音ミクとバースデーソング 5節
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打ち合わせが終わった後、神波と彼のミクは、二人でミクが歌うパートの確認をしていた。
「…ミク、大丈夫?」
「…はい、そこまで難しい所はないので大丈夫です」
歌詞とメロディーを確認しながらミクが答える。
(…それにしても、やっぱりホワイアンスPさんは凄いな)
うなる神波。彼はホワイアンスPのPとしての...初音ミクとバースデーソング 4節
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そうして、打ち合わせが始まった。神波と彼のミクは仮想空間上の会議スペースにアクセスしていた。神波がざっと見える範囲を確認するだけでも、相当数の参加者が見える。ボーカロイドは全て初音ミクだった。
「…、よし始めるぜ」
会議スペースの中央には、一人の男性がいた。彼のP名はホワイアンスPで、今回のバースデ...初音ミクとバースデーソング 3節
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『いただきます』
そうして朝食を食べ始める二人。まだ、少し眠そうな目で、二杯目のコーヒーを飲みながら朝食を食べる神波。
(…寝坊さえ治してくれれば、良いマスターなんだけどな)
その神波を見ながら朝食を食べるミク。ミクとしては、マスターである神波は温厚な性格で、作る歌は歌っていて気持ちが良いが、寝...初音ミクとバースデーソング 2節
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「マスター、マスター、朝ですよ」
とある部屋で、緑色の髪の女性が寝ていた男性を起こしていた。
「…マスター、起きて下さい」
「…ミク、もうちょっと…」
"ミク"と呼ばれた女性は"マスター"と呼んだ男性の体をゆすって起こそうとする。しかし、男性は反応はしたが起きる気配がない。
「…マスター、今日はミク...初音ミクとバースデーソング 1節