そして、初音ミクのバースデーライブ千秋楽公演。今は前半の盛り上がるパートが終わり、ライブとしては一段落した所である。
「…さて、皆さん、今年も8月31日に、有志の方々が私のバースデーを祝福する企画をされてらっしゃったことをご存知でしょうか?」
ステージ上にいるワンオフのミクが切り出す。歓声で応える客席。その中には、神波と彼のミク、そして二人を誘った高野の姿があった。
「今年は私にとって記念になる年で、例年以上に沢山の企画がありました。この場を借りて、そのような企画を企画された皆さんと、参加された皆さんにお礼を申し上げます」
深々と一礼をするミクに、拍手で応える客席。
「今回は、その沢山あった企画の一つ主催された方をこちらにお呼びしています。…ホワイアンスPさん、どうぞ」
そのワンオフのミクの言葉に、ステージに上がるホワイアンスP。彼に向けられた歓声に応えながら、ワンオフのミクが立っている場所に向かう。
「どうも、ホワイアンスPです。盛り上がってるかー?」
観客を煽るホワイアンスP、その煽りに大歓声で応える客席。
「…ホワイアンスPさんに、8月31日にアップされた曲が生まれた経緯をおうかがいしたいんですが、あの曲は、どのような経緯で生まれたんですか?」
「あの曲は、俺がPとしてデビューした時から温めてた企画が原型です。最初は、もちろんここまで大きな話じゃなかったんですが、せっかくなので盛大に祝うために、大幅に手直ししたんです」
そのホワイアンスPの説明に、会場内から感心の声が漏れる。
「…ですが、今回のバースデーライブにもホワイアンスPさんの曲がセットリストに入ることが決まってからは、ライブ関係の準備と、バースデーソングの準備を並行されて行われたのは大変ではなかったですか?」
「確かに大変でしたが、参加頂いたみなさんの協力で、無事8月31日に発表できました。参加頂いた皆さん、本当にありがとうございました」
一礼するホワイアンスP。その姿に拍手が巻き起こる。
(…やっぱり、ホワイアンスPさんは凄いな)
「…よっしゃ、みんな、次はその俺の曲だ!!、気合入れて行けよー!!、…ミクさん、お願いします」
観客を思い切り煽った後に、ワンオフのミクへの丁寧な言葉づかいをするホワイアンスP。観客からは笑いが漏れる。ホワイアンスPの行動は見ようによってはこっけいである。
「…ホワイアンスPさん、前フリありがとうございます。では、次の曲に行きます」
そのホワイアンスPのフリに、笑顔で応えるワンオフのミクだった。

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初音ミクとバースデーソング 12節

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投稿日:2017/08/31 00:02:26

文字数:1,063文字

カテゴリ:小説

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