そして、バースデーライブの千秋楽は終了した。
 「ライブ、楽しかったろ?」
 高野が神波に問いかける、二人と、神波のミクは、ライブ千秋楽後のオフ会に参加するためオフ会会場に移動中だった。
 「はい、楽しかったです!」
 神波のミクが答える。
 「シンは?」
 「僕も楽しかったですよ」
 「シン、だから言ったろ?」
 得意げに言う高野。
 「ホワイアンスPさん、すごく会場を盛り上げるのが上手かったですね」
 神波のミクが言う。
 「ホワイアンスPさんは場慣れされてらっしゃるからな。あれ位はお手の物だろうな」
 「ブラグレスPさんとは方向性が全然違いますね」
 そう話す神波。ブラグレスPもステージ上でワンオフのミクと話をしていたが、どちらかというと淡々とした感じだった。
 「Pの方も色々いらっしゃるからな。曲も素晴らしいが、曲に対する姿勢とかそういったものも結構違うからな。シンだってPをやってるんだからある程度は分かるだろ?」
 「確かに、色々と見ていると何となく分かりますね」
 「…ま、ミクさんの創作は曲だけじゃないけどな。…俺でもさすがに全部の細かい所までは追い切れねえ。…お、まずい」
 「どうしました?」
 「オフ会の開始までそんなに時間がねえ。会場にいすぎた」
 慌てる高野。三人とも、ライブの余韻に浸っていたため、会場に長居していたのだ。
 「…ええっと、会場は…」
 「うん、この人の流れのまま進んでいけば会場近くに行ける。そこまで行けば、オフ会のスタッフがいるだろ」
 オフ会の会場を確認しながら話す神波と高野。
 「…マスター、開始時間に間に合いますか?」
 周囲の人を見てつぶやくミク。
 「…オフ会の幹事から連絡が来た。開始時間を少し遅らせるそうだ。オフ会に参加する人も、俺らみたいにライブの余韻に浸ってたのかもな」
 「かもしれません。…あと、ここまで人で混んでいるので、急ぎたくとも急げない気がします」
 「…まあ、そうだな。とにかく、急げる範囲で急ごうぜ」

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初音ミクとバースデーソング 13節

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投稿日:2017/08/31 00:03:30

文字数:847文字

カテゴリ:小説

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