「マスター、マスター、朝ですよ」
とある部屋で、緑色の髪の女性が寝ていた男性を起こしていた。
「…マスター、起きて下さい」
「…ミク、もうちょっと…」
"ミク"と呼ばれた女性は"マスター"と呼んだ男性の体をゆすって起こそうとする。しかし、男性は反応はしたが起きる気配がない。
「…マスター、今日はミクさんのバースデーソングの打ち合わせの日ですよ」
ぽつりという"ミク"と呼ばれた女性。
「…しまった!!今日は寝坊できない!!」
"ミク"と呼ばれた女性の言葉に反応して布団をはねのけて起きる男性。
「…他の日でも寝坊は駄目です」
「…あ」
"ミク"と呼ばれた女性の冷静な突っ込みに、固まる男性。先ほどの自分の発言が問題発言だということの自覚はあるらしい。
「マスター、私がマスターと一緒に住み始めてから、どれだけの回数寝過ごそうとしました?」
「…は、はは、ごめん」
「…コーヒーは淹れてありますから、それを飲んで眠気を覚ましておいて下さい」
笑ってごまかそうとする男性を軽く流して、朝食作りを再開する女性。彼女の名前は初音ミクである。一方、その初音ミクに起こされた男性は神波真という男性で、大学に通いながらティーエフPというP名で初音ミクを使って曲を作っていた。神波と一緒に住んでいる実体化した初音ミクはヒューマノイド型のアンドロイドの一種別であり、かつてマスターが自分のPCにソフトウェアとして初音ミクをインストールしている感覚で手軽に購入と設定ができる。ヒューマノイド型のアンドロイドは世界的に普及しており、廉価かつ手軽に購入可能で、歌を歌う他に家事などをこなす機能も追加可能である。
 寝坊は神波の悪癖で、昔から変わっておらず、起こす立場のミクは手を焼いていた。あれこれと手を変え品を変えて起こしていたが、かなり手強い悪癖だった。そんなマスターである神波に内心ため息をつきながらも、朝食作りを続けるするミクだった。

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初音ミクとバースデーソング 1節

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投稿日:2017/08/30 23:51:01

文字数:810文字

カテゴリ:小説

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