タグ「オリジナル」のついた投稿作品一覧(108)
-
そして、会計を終えて店から出る四人。
「これからどうするの?」
「…とりあえず、ホテルにもう一泊して、たっぷり寝て、明日帰る」
「…私と同じね。今はひたすらに寝たいわ。これからのことは、明日考えましょう」
「じゃ、またな」
「そうね、…これからも頑張りましょうね」
「愚問じゃねえか。そん...初音ミクとバースデーソング 16節(最終節)
-
「ふー、食った食った」
食事が終わり、デザートのアイスクリームを一足先に食べ、今は水を飲んでいるホワイアンスPが満足げな表情で話す。
「…久しぶりにたくさん食べたわね。ミク、おいしかった?」
『はい』
一方、他の三人は、デザートのアイスクリームを食べていた。
「…そういえば、これからどう...初音ミクとバースデーソング 15節
-
そして、一夜明けた。
初音ミクのバースデーライブは終了した。一息つく人もいるが、次の初音ミクのイベントに向けて早くも準備する人もいた。そんな日の夕方。会場近くの焼き肉店。
「…よし、一通りそろったな」
テーブルに揃ったメニューと注文したメニューを比較しながらホワイアンスPがうなずく。そのテー...初音ミクとバースデーソング 14節
-
そして、バースデーライブの千秋楽は終了した。
「ライブ、楽しかったろ?」
高野が神波に問いかける、二人と、神波のミクは、ライブ千秋楽後のオフ会に参加するためオフ会会場に移動中だった。
「はい、楽しかったです!」
神波のミクが答える。
「シンは?」
「僕も楽しかったですよ」
「シン、だか...初音ミクとバースデーソング 13節
-
そして、初音ミクのバースデーライブ千秋楽公演。今は前半の盛り上がるパートが終わり、ライブとしては一段落した所である。
「…さて、皆さん、今年も8月31日に、有志の方々が私のバースデーを祝福する企画をされてらっしゃったことをご存知でしょうか?」
ステージ上にいるワンオフのミクが切り出す。歓声で応える客...初音ミクとバースデーソング 12節
-
「ただいま…」
8月30日の23時近く、一人の"初音ミク"が自分の家に帰ってきた。彼女はワンオフの初音ミクである。間近に控えた初音ミクのバースデーライブの公演の練習のため、連日遅い時間まで練習であり、それはこの日も例外ではない。
「ミク、お帰りなさい」
そのミクを、ミクよりやや年上に見える男性が笑顔...初音ミクとバースデーソング 11節
-
一方、ホワイアンスPは、曲の収録が終わってからは編曲作業に入っていた。各Pのミクが歌った環境は、各Pごとに異なる。一部の音声を聴く限り、しっかりとした収録環境で歌ったと思われるPもいるにはいるが、大半は自室での収録であり、十分な収録環境ではないことをうかがわせる音声も多いあるため、必要に応じて補整を...
初音ミクとバースデーソング 10節
-
そして、バースデーソング収録日。
「…、よし、三回目の収録いくぜ」
そういうホワイアンスP。バースデーソングの収録は、タイミングの同期を取る必要があるが、あらかじめミクにインプット可能なので、そこは比較的楽である。曲に合わせて自分のパートを楽しそうに歌う神波のミク。そうして曲を全て歌い終わる。
「…...初音ミクとバースデーソング 9節
-
一方、ブラグレスP。
「マスター」
バースデーライブのメインテーマ曲の最後の調整をしているブラグレスP。調整する項目を見ながら険しい表情をしていたが、飲み物を持ってきたミクの声を聞いて、表情をゆるめる。
「…ミク、ありがとう」
そういって飲み物を受け取ったが、再び険しい表情で調整を再開した。
「マス...初音ミクとバースデーソング 8節
-
「マスター」
「お、あんがとな」
ホワイアンスPのミクが、彼女のマスターに飲み物を渡していた。先ほどまで彼は、バースデーライブの自分の曲に関する用件をこなしており、そちらが一段落したのでバースデーソング関連の調整をしていた。調整をしている時の表情は、普段の軽そうな雰囲気を微塵にも感じさせない真剣な表...初音ミクとバースデーソング 7節
-
数日後、神波も一人の男性と会っていた。
「シン、ミクさんのバースデーソングの方ははかどってるか?」
「はい、ミクも歌いやすい曲だといっています」
「ホワイアンスPが今回のために書き下ろした曲だからな、その辺は楽だろうな」
神波と話しているのは高野陸弥。神波の大学の先輩であり、その筋では有名なミク拝で...初音ミクとバースデーソング 6節
-
一方、
「よう、お疲れさん」
「ホワイアンスPもお疲れ様」
ホワイアンスPは一人の女性と話していた。彼女のP名はブラグレスPである。
「相変わらず大変そうね」
「慣れちまったよ。それよりそっちだってプレッシャーは結構なもんじゃないか?」
「そうね。だけど、この程度ならなんとかなるわ」
...初音ミクとバースデーソング 5節
-
打ち合わせが終わった後、神波と彼のミクは、二人でミクが歌うパートの確認をしていた。
「…ミク、大丈夫?」
「…はい、そこまで難しい所はないので大丈夫です」
歌詞とメロディーを確認しながらミクが答える。
(…それにしても、やっぱりホワイアンスPさんは凄いな)
うなる神波。彼はホワイアンスPのPとしての...初音ミクとバースデーソング 4節
-
そうして、打ち合わせが始まった。神波と彼のミクは仮想空間上の会議スペースにアクセスしていた。神波がざっと見える範囲を確認するだけでも、相当数の参加者が見える。ボーカロイドは全て初音ミクだった。
「…、よし始めるぜ」
会議スペースの中央には、一人の男性がいた。彼のP名はホワイアンスPで、今回のバースデ...初音ミクとバースデーソング 3節
-
「マスター、マスター、朝ですよ」
とある部屋で、緑色の髪の女性が寝ていた男性を起こしていた。
「…マスター、起きて下さい」
「…ミク、もうちょっと…」
"ミク"と呼ばれた女性は"マスター"と呼んだ男性の体をゆすって起こそうとする。しかし、男性は反応はしたが起きる気配がない。
「…マスター、今日はミク...初音ミクとバースデーソング 1節
-
ボーカロイドはヤマハの商標登録です。
この作品はピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・
メディア株式会社のキャラクター、「初音ミク」を書いた作品です。
作中の登場人物は、全て架空です。
初音ミクとバースデーソング 前書き
-
そして…、
「マスター、どうしたんですか?」
「え、ええっと…」
一方神波の部屋。先ほどまで出かけていた神波が戻ってくるなり量産型のミクに話しかけたのだが、何か様子がおかしい。
「…マスター」
神波に詰め寄る量産型のミク。
「え、ええっと、これをミクにプレゼントしようと思って…」
そ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ7節(最終節)
-
そして、数日後の朝。ワンオフのボーカロイドの一家は朝食を食べていた。一足早く食べ終えた雅彦は、ゆっくりとコーヒーを飲みながら考え事をしていた。
「ごちそうさま」
すると、ワンオフのMEIKOが朝食を食べ終えていた。
「それじゃ、私は準備するから」
「めーちゃん、打ち合わせは午後からでしょ?...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ6節
-
ワンオフのルカの淹れた紅茶を堪能した後、自室に戻ってきた雅彦。時間つぶしのため、アルベルトの記事を読みだした。一番新しい記事は、南アフリカ共和国の新興企業のついての記事を書いていた。どうやら現地まで行って取材をしたらしい。
「ふむ…」
記事を見ながらその新興企業の開発した技術の内容を確認する雅...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ5節
-
一方、ワンオフのボーカロイドの家。
「あら、お帰りなさい」
大山北大学から戻ってきた雅彦とワンオフのミクをワンオフのルカが出迎えていた。
「ただいま」
「暖かい紅茶を淹れる所なの、二人とも飲むかしら?」
秋も深まってきており、外の気温も大分下がってきていた。
「ルカ姉、お願い」
「大...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ4節
-
そのころ。
「お待たせ」
「…大して待っていないわ」
人目につかない広場の一角にいた木下。彼女は目立たない格好をした上、シークレットシューズを履いて身長を欺瞞していた。
(…そこそこ待ってたんだろうな)
そう思う高野。二人で待ち合わせた場合、ほとんど木下が先に来ている。
「…んじゃ、行...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ3節
-
そして、帰り道。
「マスター」
「何だい?」
「安田教授って、どんな方でした?」
「先輩を含めていろんな人が言っていたけど、やっぱり凄い方だよ。僕とは全然考え方が違ってるかな。きっと僕たちとは根本的な所から違っていると思う」
「そうなんですか」
「だけど、僕と変わらない所もあるように感...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ2節
-
「二人とも、どうだった?」
再び大山北大学の雅彦の部屋。二組とも話が終わったので、雅彦と神波が雅彦の部屋に戻ってきて四人で話しているのだ。
「…凄くためになりました」
「色々と参考になる話をありがとうございました。…僕たちのために時間を割いていただき、ありがとうございました」
そういって雅...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 エピローグ1節
-
一方、神波と雅彦は大学の敷地内のカフェテリアに来ていた。先行する雅彦がカフェテリアの中で人の少ない区画を選んでいる。二人の前にはカフェテリアでコーヒーとつまめるお菓子がおいてあった。
「それじゃ、話をしようか。準備はいい?」
「はい」
そういうと、雅彦はポケットから何かの装置を出す。しばらく...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章27節
-
「話を私と雅彦さんの話に戻すと、私は、雅彦さんと同じ家で暮らすようになって、心がけていることがあるの」
「…それはなんですか?」
「…お互いに、お互いの立場を理解して尊重すること。相手のことを考え、想いやって行動すること。大きいのはこの辺りだと思うわ」
「そうなんですか。…ミクさんは安田教授...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章26節
-
「私と雅彦さんの話は、知っているかしら?」
「はい、もう何度もお二人の話は見たり聞いたりしました」
ワンオフのミクと雅彦が出会ってから結ばれるまでの過程は、多くの媒体で伝わっており、今では誰でも容易に知ることができる。
「…今では信じられないという人も多いけれど、あの当時は、アンドロイドであ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章25節
-
そして、当日。
『こ、こんにちは』
『こんにちは』
大山北大学の雅彦の部屋に神波と量産型のミクがやってきた。部屋には雅彦とワンオフのミクが待っていた。雅彦が案内して来客用のソファに座る。
「二人とも、大丈夫かい?」
「え、ええっと、その…」
落ち着いた感じの雅彦とワンオフのミクと比較す...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章24節
-
そして、四人が合う前日の夜。
「ミク、明日の話だけど、話したいことは決まった?」
「はい、大体決まりました」
雅彦とワンオフのミクが話していた。
「…だけど、勝手がわからないです」
「ミクはそういう経験自体が少ないからね」
雅彦がこたえる。ワンオフのミクは量産型のミクと話すのは、何らか...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章23節
-
「木下さん」
「安田教授、どうされました?」
「神波君と話してみて、どうだった?」
一方雅彦は木下と話していた。
「…彼は若いですね。特に内面が」
「…そうだね。恐らくだけど、今まで人間関係でややこしいことには遭ってないと思うんだ」
「それは同感です。ただ、Pをやっているなら遅かれ早か...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章22節
-
「ミク」
「マスター、どうされたんですか?」
「この前ミクがいっていた話だけど、ワンオフのミクさんが話をしたいって」
「本当ですか?」
その神波の言葉に、喜ぶ量産型のミク。
「マスター、ワンオフのミクさんは私の思いを受け止めてくれたんです」
自慢げにいう量産型のミク。
(そこまで単純...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章21節