そして、数日後の朝。ワンオフのボーカロイドの一家は朝食を食べていた。一足早く食べ終えた雅彦は、ゆっくりとコーヒーを飲みながら考え事をしていた。
「ごちそうさま」
すると、ワンオフのMEIKOが朝食を食べ終えていた。
「それじゃ、私は準備するから」
「めーちゃん、打ち合わせは午後からでしょ?」
「…KAITO、打ち合わせの時に頭に入れておかないといけない情報がどれだけあると思ってるの?」
急いで部屋に向かおうとするワンオフのMEIKOをたしなめるワンオフのKAITO。今日は彼女のバースデーライブの初回の打ち合わせであり、他の五人も参加することになっている。
「MEIKOさんは気合いが入ってますね」
「MEIKO姉様らしいですわ。…それより、雅彦君は大学、大丈夫なの?」
「…普段と同じですよ。みなさんより早くに出かけないといけないですが、そこまで急がなくても良いですね」
そうしていると、コーヒーを飲み終わった雅彦。マイカップをキッチンの流しに置く。
「それじゃ、ミク、お願いするよ」
「はい」
今日の朝食後の食器洗いの当番はワンオフのミクである。とはいえ、食器洗いはほぼ自動化されているので、当番がやることは少ない。
部屋に戻った雅彦は、手早く身だしなみを整え、大学に行くために着替えた。そして荷物を手に取る。そうしてキッチンに戻ると、ワンオフのKAITOが先ほど自分の部屋に入ったワンオフのMEIKOに半ば引きずられる形でワンオフのMEIKOの部屋に行く所だった。
「めーちゃん、なんで僕まで…」
「私たち二人で歌う曲の情報を頭に入れておかないといけないの。分かっているわよね?ほら、つべこべ言わない」
「そんなぁ…」
確かに、今回の主役はMEIKOなので、二人で歌う曲がバースデーライブのセットリストに入っている可能性はありえる。
「…あの光景、去年も見た気がするのですが…」
「一昨年も見た気がします」
「…私はもっと前から見ている気がするわ」
雅彦の言葉に、ワンオフのミク、そしてその場にいたワンオフのルカが口を挟む。
『みんな、どうしたの?』
そこにワンオフのリンとレンがやってくる。
「…KAITO兄様が、MEIKO姉様の部屋に引きずり込まれたところを見ていたの」
「…確か、今日がめー姉のバースデーライブの初めての打ち合わせの日よね」
「俺たちはいなかったけど、その光景が目に浮かぶぜ」
「…それでは、僕は大学に行ってきます」
『行ってらっしゃい』
家を出る雅彦に、その場にいた四人がこたえる。
「それより二人とも、どうしたの?」
「お昼までやることがないから、どうしようか相談に来たの」
「…確かに、午前は手持ち無沙汰なのは確かね。まだ、午前のお茶の時間にはまだ早いし…」
今日は、六人とも午後から大事なライブの初回打ち合わせが入っていたので、午前は意図的に仕事を入れなかったのだ。
「…めーちゃん、二人で歌う歌、どれだけあるか分かったでしょ?だから、曲の情報はセットリストが分かってからでもいいでしょ?」
「…仕方ないわね。…あら、みんなどうしたの?」
「KAITO兄さん、どうしたんですか?」
「…二人で歌う歌を全て検索したんだけど、曲数があまりにも多かったから、僕がめーちゃんを説得したんだよ」
「…確かに現実的じゃなかったわね」
「…MEIKO姉様、気合いが空回りされてらっしゃるのでは…」
「…それは否定できないわ。…それで、みんなどうしたの?」
「MEIKO様、午前をどうするかを相談していたんです」
「確かに、何かあると困るから、出かけるわけにもいかないね」
「そうだ、歌おーぜ」
「そうよ、歌いましょうよ。せっかく六人いるんだから」
ワンオフのリンとレンが提案する。
「…そうね、それは良いかもしれないわね。ライブの練習も兼ねて」
「…何を歌いましょう?」
「みんなで歌う歌が良いな」
ワンオフのミクが提案する。
「…そうね。最初は六人で歌う歌にしましょう。何か注文はある?」
「明るい歌にしよーぜ、朝から暗い歌だと気が滅入る」
「…分かったわ」
そういって歌を条件に合致する曲を検索するワンオフのMEIKO。良さそうな曲を選択し、全員に送る。
「これでいい?」
『うん』
全員がうなづく。
「それじゃ、全員配置について」
そのMEIKOの合図で配置につく六人。そして六人の口から歌声が紡がれる。その歌は未来への希望を歌った歌詞だった。
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