<1A>
白い闇を見上げ眠る　朝焼けはまだ遠く
瞼濡らす一雫は　誰のものか忘れた

<1B>
要らないからと捨てたものは　ただ泣声だけ　
それでも歌うぼくを　他人はカラスと呼ぶ

<1S>
剥がれ落ちていった　青い羽を拾い集めて
夢の中でだけでも　高い空もう一度
傘をさす子供の　帰り道が澄み渡るように
瞳閉じたそのまま　歌い続けましょう


<2A>
淀む空気背負いゆこう　雷鳴が急かしてる
つま先から滲んでくる　ネオンだけを頼りに

<2B>
眩しい街に邪魔な夜を　もたらすようだと
疎まれ歌うぼくは　黒いカラスだから

<2S>
この両手がいつか　暗い影を切り裂くならば
朽ちるだけの記憶は 雨で洗い流し
耳元で泣いてる 風を決して振り向かぬように
地平線に向かって　歌い続けましょう


<3S>
光満ちる世なら　誰かぼくを愛しましたか
こだますらも返らぬ　叢雨の降る朝

青い空にさえも　浮き雲にはまして溶けない
汚れのような躯を　宙へ浮かべていよう
枯れた声で歌う　ぼくを仰ぎ見てくれますか
廃墟の街巡って　希望ばかり叫ぶ


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しろいやみをみあげねむる　あさやけはまだとおく
まぶたぬらすひとしずくは　だれのものかわすれた

いらないからとすてたものは　ただなきごえだけ
それでもうたうぼくを　ひとはからすとよぶ

はがれおちていぃた　あおいはねをひろいあつめて
ゆめのなかでだけでも　たかいそら(もい)ちど
かさをさすこどもの　かえりみちがすみわたるよに
ひとみとじたそのまま　うたいつづけましょう


よどむくうきせおいゆこう　らいめいがせかしてる
つまさきからにじんでくる　ねおんだけをたよりに

まぶしいまちにじゃまなよるを　もたらすようだと
うとまれうたうぼくは　くろいからすだから

このりょうてがいつか　くらいかげをきりさくならば
くちるだけのきおくは あめであらいながし
みみもとでないてる　かぜをけしてふりむかぬよに
ちへいせんにむかぁて　うたいつづけましょう


ひかりみちるよなら　だれかぼくをあいしましたか
こだますらもかえらぬ　むらさめのふるあさ

あおいそらにさえも　うきぐもにはましてとけない
よごれのようなからだを　ちゅうへうかべていよう
かれたこえでうたう　ぼくをあおぎみてくれますか
はいきょのまちめぐぅて　きぼうばかりさけぶ