Neon Light Theory

喧騒に　溢れたこの街で
今日もまた　どこかに居場所を探している

案外と見つからないことも
いつからか　気付いていたことだろう

さんざめく雑踏も　辿る日常も
夕暮れに溶けていくから　景色は染められて

やがて夜空を照らす街灯　色付く光の向こうで
ああ　騒ぐ　景色を駆け抜けて
ただ夜も深まる片隅　眠らない街を彷徨う
どこにも行けないで　嗚呼

誰も孤独になんてさせないと
街の明かりが飲み込んでいく
居場所が此処にはあると
薄く光るネオンサイン

揺れ動く明るい街並みも
飾られた光と知っているけれど

浮かぶ摩天楼や　捨てられた花が
混ざり合うこんな景色に
何かを期待して

作り出した嘘と街灯　揺らめく光に漂う
ああ　灯る　景色を焼き付けて
まだ夜明けは遠い暗闇　鈍色が覗く路地裏で
歩き続けている

過ぎていく日常に　意味を重ねて
乱雑に混ざり合った　光と影の中で
泡に消えた無償の愛も　未だ残る淡い願いも
確かに瞬いて

いつか　夜明けが訪れるまでに
あと何回だって　帰れるように

居場所は此処にはあると
薄く光るネオンサイン

夜を焦がすネオンサイン