誰かの一番になりたいと願うのは
僕の心が弱いからか
だからといって一番になりたいと
努力を繰り返すわけでもなく
ありのままを受け入れてくれと
願うだけだからややこしい
君にとっての都合の良さは
誰かにとっては見当外れ
誰かの一番になりたいと
変わるだけ変わるなら
それは僕か これは誰だ
混ざって混ざって真黒になって
ありのままを受け入れてくれと
目鼻も見えない顔で迫って
逃げていく背中に手も伸ばせずに
また駄目だったと立ち尽くす
愛してくれるというのなら
指針があればどうにでも
粘土のように塗り固めて
僕らしさを作りあげるさ
それは駄目だと気持ち悪いと
言うならありのままを
愛してくれよ
僕が何をしたのと聞いたって
別に何もと言われたって
投げる石の数も固さも
変わらないまま傷は増える
ありのままでいいんだろ
縁を見つければいいんだろ
どこにあるんだ 僕はどこだ
しがみつけば腐り落ちて
抜け落ちる幸せという偶像に
手も伸ばせずにまた駄目だったと
心さえなかったら
こんなに悲しむことなんて
無かったのに
野箆坊
タイトルは【のっぺらぼう】と読みます。
人に合わせて変わる必要がないと言いながら、ありのままの自分だと好いてくれる人はいない。
もしありのままの自分を受け入れてくれるのが10万人に1人だとして、一生出会わない確率のほうが高いわけで。
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