嗚呼 それはまるで
そう 真冬の花
降りしきる記憶に埋もれ
それでもなお 凛と朱
触れられずに ただひとり
立ち尽くす 白い原野
ただ一つで ありたいと
選んだ 己の舞台
芽吹いた花は ただ赤く
折れそうな茎 白片が積る
差し伸べられる 腕も無く
重い想い はらわれずに
ぽつり浮かぶ 闇夜の灯
群がるものは 暗い目の魔物
嗚呼 それはまるで
そう 真冬の花
降りしきる記憶に埋もれ
それでもなお 凛と朱
嗚呼 それはまるで
そう 獲物の香り
自らその首を晒し
それでもなお 妖しい朱
色とりどり 群れ咲く陽
埋もれる そこを逃れ
ただ一つで ありたいと
選んだ 孤独の舞台
眩しいほど 冴えた月光
群がるものは 飢えた目の…
嗚呼 それはまるで
そう 真冬の花
頼るものも術も無く
それだからこそ 凛と朱
嗚呼 それはまるで
そう 悲鳴の色
自らの身に火をつけ
それだからこそ 凛と朱
群がるものは 飢えた目の己
明けの陽を 待てないまま
ただ 朽ちてゆく
自ら選んだ舞台の上
白に咲く 凛と朱
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