MEIKO姉が足を組み直して、言った。
メ「最近、ヤバいのよ……」
カ「へえ、ヤバいんだ。何が? ウエスト?」
 KAITO兄がそういうから、私はMEIKO姉のお腹を見てしまった。たいしてヤバくはない。それどころかくびれていてうらやましい。まさにスタイルがボンキュッボン。うらやましい!
メ「誰のウエストがヤバいって?」
カ「あはっ、誰だろ?」
メ「ヤバいのは金よ! 金がないのよ!」
レ「……金?」
メ「入ってくる収入の三分の二は酒とアイスとネギとみかんとバナナとマグロとロードローラーの洗車代とガソリンでどっかいっちゃってるのよ!」
 ごめんなさい。
メ「それから光熱費とかガス代とかパケット料金とかで残りの半分が吹っ飛んじゃって……後の残りはあんたたちの小遣いでしょ」
ミ「あとニコ動プレミアム料金だよね」
ル「ミクちゃんプレミアムなの!?」
 ずるいぞミク姉!
 私とレンは一般会員なのに!
ミ「ルカちゃんプレミアムじゃなかったの!?」
メ「あーミク、ちょっと当分の間プレミアムやめてね……ほんと厳しいのよ」
ミ「……はぁーい」
メ「小遣いも少し減らすから……ちょっとみんな節約よろしくね」
 えっ、じゃあ……

 当分みかんとロードローラーなしって事ですか!?





 ルカさんとカラオケ行く約束してたのに行けなくなった。
 節約かあ……。
 KAITO兄が洗濯物を減らそうと裸マフラーで頑張っている。見ていてつらい。
 MEIKO姉はそれを見ないふり。
 ミク姉も真似して、チューブトップにミニスカに素足という寒々しい恰好。
 テレビを見るのにもお金がかかる。ニコ動見るのにネットに接続するのもお金がかかる。PCつけるだけでもお金がかかる。ゲームするのにもお金がかかる……。
レ「金って大切なんだな」
 レンも私と同じことを思ったらしい。
が「お邪魔するでござるー」
グ「ミクちゃんリンちゃんレン君ルカさん姐さん兄さん! あのねあのね、新しいロリータ服手に入れたんだ! 着て写真撮ろうよ!」
 悪いタイミングでインタネがやってきた。
リュ「お邪魔します」
リ「邪魔するー」
 あ、そういやLilyちゃんがクリプトンに来るのって初めてかも。
リ「こっちに間違えて荷物届いたから……巡音いる?」
ル「いるわよ。荷物っていうと……本かしら」
リ「段ボール二個あるんだけど」
ル「じゃああれもきたのね」
 Lilyちゃんから段ボールを受け取り、ガムテープをルカさんがべりべりとはがす。
 中から出てきたのは、分厚い洋書数冊と……。
ル「MEIKOさん、冷蔵庫をお借りしたいのですが」
メ「節約中だけど、いいわよ」
が「節約中なのでござるか」
メ「そうなのよ、金がなくてね」
リ「ルカさん、それ何?」
ル「マグロよ。遅いと思ったら、インタネの方にいっちゃってたのね」
ミ「それよりGUMIちゃん、ロリータ見せて!」
 ミク姉は早くロリータ服が着たいらしい。うずうずした目でGUMIちゃんを見ている。
 GUMIちゃんは持っていた紙袋から、ロリータをたくさん取り出した。一枚、二枚、三枚……いくつあるんだよ。
グ「ミクちゃんには、ピンクのこれ買ってきたんだ!」
 ピンクでレースでふりふりでリボンでふわふわ。スカートっていうより、チュニックに近い丈だ。短すぎないか? まあミク姉はいっつも絶対領域見せつけてますけど……。
ミ「わっ、可愛い! ありがとうGUMIちゃん、もらっていいの?」
グ「ミクちゃんにあげるために買ってきたんだから!」
ミ「わーありがとうGUMIちゃん大好きっ!」
グ「私もミクちゃん大好き~特にコスしたミクちゃんめっさ可愛い」
 好き、の意味が違う気がするのは私だけ?
グ「姐さんのも兄さんのもリンちゃんのもレン君のもルカさんのも買ってきたよ!」
メ「そんな金どこにあったのよ」
グ「うん? Lilyちゃんが宝くじで一千万当てたの」
 一千万!
 えっと、ゼロがいちにぃさん……七個!
が「四人で山分けして一人二百五十万でござる」
 分けてあげるんだ。Lilyちゃん結構優しい。
 ていうかクリプトンにも分けてくれ!
リ「クリプトンなんぞにやる金なんてない」
 ……微妙にムカつくな。いやここは微妙にじゃなくて完璧にムカつかなきゃ人間としてダメだ。
カ「リュウト君に二百五十万はやりすぎじゃない?」
リ「学費に使う」
 Lilyちゃんがお母さんに見えてきた……。
グ「ええっとねえ……ごめんねレン君、スカートなかったんだ。だからズボンなんだけど」
レ「なくていい履きたくねえわ」
 えっ、見たいんだけど。
グ「姐さん、胸がおっきくてシャツがキツイって言ってたから買ってきました♪ 最近のはすごいですよね、グラマーさん用のシャツが売ってましたもん」
 いいなあ、私も一回そういう経験してみたい。
メ「あの……一応思春期の子供が二人いるからそういうのはっきり言わないでほしいわ」
 レンが顔を赤くしている。ふっ、まだまだ子供だな。
 しかも一応って。
グ「兄さん、私『ヴェノマニア公の狂気』の兄さんに惚れちゃいまして」
 裸マフラーでアイスを食べているKAITO兄に、GUMIちゃんが差し出したのはロングドレス。きれいな青色。ところどころに施されたリボンがKAITO兄に不釣り合いだ。せめてアイス柄なら似合っただろうに。
カ「僕……これどうしたらいいの?」
ル「着てみたらいかがです?」
カ「ルカちゃん! 僕にこれを着ろと!?」
ル「ええ」
が「拙者は似合うと思うでござる」
カ「がっくん!」
リ「売れば?」
メ「おっ、Lilyナイスアイディア! よし、売ろう」
グ「姐さん! 私がせっかく買ってきたのになんですかぁ」
メ「またお金に余裕ができたらGUMIちゃんに何かお返し買うから」
グ「ちぇ~」
 てなわけで、GUMIちゃんが買ってきてくれたロリータたちは売られた。
 ミク姉はあの服を放さなかったから、ミク姉のだけは売らなかった。




 何とか金を稼いで、
 ロードローラーに乗らなくては!


 ロードローラーに乗る事は、我ら鏡音の使命なのだから!


 ……ってレンに言ったら、「阿呆か」って言われました。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります

お金は限りなくあるものじゃないんだよ…悲しい事にね。1

続くかどうか不明です。てへ☆…キモいね、ごめんなさい。

一応はリン視点です。

金がないのでクリプトンたちにも私と同じ状況にしてあげました。これで私の辛さが分かったか! ていうかLilyうらやましすぎる…一千万だよ一千万! あ、でも家のローン返せない(泣)

昨日は四葉のクローバーを見つけました!!! 草むらがあるな、あれ、なんかこれ葉が四つある。……


四葉っ!???

みたいな感じで。見つけるまでの時間5秒。最高記録だっ!
ごめんなさい、ただ自慢したかっただけです…


タグは一応クリプトンたちにしましたが、不十分では?と思われたらどうぞいじってください

閲覧数:268

投稿日:2011/05/10 21:28:46

文字数:2,575文字

カテゴリ:小説

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  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    四つ葉見つけるのはやいwww
    ってかすごい!!
    お金がなかったからクリプトンたちもってwww
    うちもないけどwwアニメイト行くのにいいいいい(((黙れ

    てかリリィww一千万をみんなで分けたの!
    なんて優しいんだ!うちにもくr((
    ロリータかあ…アニメイト友達と行くんだけど
    そのとき友達がロリータの服を着て、来てくれるっていってた!
    羨ましい!あ、でもうちはどっちかというとゴシックのほうが好きww
    ってかコスプレしたいwwブクマもらうねーー^^

    2011/05/10 22:11:38

    • 絢那@受験ですのであんまいない

      絢那@受験ですのであんまいない

      私もはやくて驚いたよ…いい事なかったけどねwww
      アニメイト行くの!?いいなあいいなあいいn(((黙
      一緒に行ってくれそうな友達がいない…あー誰か私にヲタ友と金を!

      何を言っているんだシベリア!一千万は私がもr((((誰もお前になんてあげねえわ
      友達がロリータ着てくる!すごい!
      私もゴスロリがいいな?。てかなんでもいいからコスしてみたい!

      2011/05/11 19:42:41

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