「げほげほっ…」
開発実験中の薬を飲まされ、先程まで吐いていた友達〈JE4〉‐ジェシカ‐の背中をさする。
「ジェシカ、大丈夫?」
そう聞くと吐き疲れた表情でジェシカは力無く笑い、
「ちょっと寝るね…」
冷たい床に寝転び、眠りについた。
僕はそんなジェシカに部屋に置いてある薄汚い毛布をかける。
朝、別の部屋に連れて行かれた〈ME1〉‐メアリー‐は今頃どうなっているのだろうか。
《モルモットと神様‐モルモット1‐》
此処は実験室。
この僕〈GU3〉‐GUMI‐やジェシカ、メアリーはモルモット。人間なんて扱いは微塵もない。ただ、実験の為に使われる動物として生きるしかない。
机に置いてあるクッキー‐実験物‐を口する。苦い。
このクッキーは何の実験に使われているのだろうか。
そんなことを考えていると、朝に別の部屋に連れて行かれたメアリーがドアから姿を表した。
「あ、メアリー!帰ってこれたんだね…!」
「GUMI!怖かったよ…」
声を掛けるとメアリーは飛び付くように僕に抱き付く。
正直もう二度と帰ってこないのでは…?と考えていたので非常に嬉しい。
僕とメアリーが喜び合い、抱き合っていると、寝ていたジェシカが起きた。
「ん…?メアリー…!?」
どうやらメアリーが帰ってきたことに気付いたようだ。
「ジェシカ!メアリーが帰ってきたよ!」
僕は嬉しい出来事をジェシカに報告する。
「本当!?メアリー!」
ジェシカは歓喜の声を上げてメアリーに抱き付いた。
僕らは数分の間、喜び合った。
その後、メアリーがふっと、
「私、ここから出たら、あの丘を越えて、ふわふわな雲を見てみたいの!」
ガラスの窓から見える丘を見ながら言う。
「いいなぁ…じゃあ私はここから出たら、みんなと遊びたい!」
ジェシカも同じくガラスの窓を見ながら、そう発言する。
ただ僕はメアリーとジェシカの願いに頷いた。
『あれは壁に描かれた絵だよ』
それを僕は知っている。
でも、そんなの、いつか出られると信じている友達には言える訳ない。
その日は友達としばらく他愛のない話をして、夜がきた。
ここ、白い部屋にある時計は22時を指している。
冷たい床に寝転がっている僕の両隣から、規則の良い寝息が聞こえてくる。
ジェシカやメアリーはもう寝たらしい。
「…いーよいいよ。別に僕らモルモットの気持ち、希望や願いなんて、分からなくても。」
立ち上がり、同じ部屋の住人、金魚に独り言のように語りかける。
あれ、今日は尻尾が切れてるや。
そうか、君も僕らと同じ実験体か。
なんだか金魚が可哀想になって、水槽のそばにある餌‐多分実験物‐を金魚にやる。
あぁ、僕は外に出て終わりを告げることが出来るのだろうか。
「げほげほっ」
なんとなく深呼吸をするけど蒸せてしまう。
そういえば、この淀んだ空気も実験だったっけ。
僕のまわりは実験物だらけだな…。
もう考えるのも疲れてジェシカとメアリーの間に寝転んで、僕は眠りについた。
実験体の生活から約10年。
いつ出られるのだろうか。
モルモットと神様‐モルモット1‐
シリアスシリアス。
一昨日くるりんごさんの「モルモットと傭兵」を知って、がりがり書いてしまった…!
メアリーちゃんかわいい!
ジェシカちゃんももちろん好きです!bb
この曲聴いて久しぶりに泣きました。
なにこれ最高。
一応、「モルモットと傭兵」と「泥棒と警備員」の小説です。
今回はモルモルSideですよ!
しばらくモルモルSideでいく予定。
くるりんごさんの解説を参考にしながらかきますた。
涙腺崩壊な本家様↓
モルモットと傭兵
【http://sp.nicovideo.jp/watch/sm17765900】
泥棒と警備員
【http://sp.nicovideo.jp/watch/sm18122648】
くるりんごさんの解説↓
http://kururingo.zouri.jp/moru.html
モルモルかわいい。
これで3作同時連載だああああ!┏(^o^)┓ドコドコドコドコ┗(^o^)┛
いーよ!いいよ!
メアリーちゃんとジェシカちゃんのキャラが安定してないぜ…HAHAHA。
→Next 【http://piapro.jp/t/q7-z】
*追記*
8/28:注目の作品ウォォォありがとうございますウォォォよかったらメッセージお願いします!!
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ブクマつながり
もっと見る『君はどこかで笑ってて』
彼は行ってしまった。
そう―――
いもけんぴアイス作りの旅に。
彼と私は双子で、一国の主と召使だった。
どうやら私は大罪の悪魔というやつに乗っ取られていたようで、毎日おやつにブリオッシュを激しく推していたらしい。
ええ、好きですよ。ブリオッシュ。あのもふもふとした食感とか...後悔と、いもけんぴと。
姉音香凛
「リン! リン!」
リンをたたき起こす僕
大変なことになってしまった
「……んー?」
ゴロゴロとベッドの上を転がるリン
何で,そんなに暢気なんだ!!
それは,浅い意識の中
遠い意識の中で,ジリリリリとうるさい音がしていたのは知っていた
でも,何か気分がのらなかった
その音に反応したくなかった...こちら鏡音探偵所×とある姉妹
アリサ
「先生!患者の血圧・心拍数がともに低下しています!」
「落ち着け。心臓マッサージや電気ショックは?」
「今やってます!」
「帰ってきてくれッ―――」
僕は今ぼんやりとした霧の中に立っていた。当然標識なども何もない。
唯一の目印と言えば自分が足を着いている地面に点々とある誰かの足跡ぐらいだ。
「ここ...天国からの没シュート-天使と天使-
姉音香凛
「ますたー」お願い、私を消さないで。
まだ歌えるよ?いい子にしてるよ?
ねぇ、なんで―――
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え…?ナニソレ…
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お願い、やめて!!
「さよなら、ミク」...【ボカロ】Broken program【オリジナル】
ゆるりー
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ゆるりー
「ねぇ,リン」
「なぁにぃ?」
今日は日曜日
今は午後一時を少し回ったところ
僕とリンは,それぞれの趣味が大いに詰まったこの部屋でゴロゴロしているとことだ
「あのさぁ,僕がもしこの格好で
『彼のこと好きになっちゃったんだ』とか言い出したらリンはどうする?」
僕は一回転
スカートがふわっと舞う
白と...こちら鏡音探偵所×腐って腐って腐っちゃえ☆
アリサ
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