急がなきゃ……。
早く、飛び込まなきゃ……。

「室長!起動室のキーが……」
「分かっている。鏡音リンだろう」
「飛び込んでしまうんですかね」
「知ったことか。どちらにしても……起動だけは避けなくてはならん。急いでやつを見つけるんだ!」

苦しくて、息が出来なくて、もうどうしたらいいかなんて分かるはずがなくて。
飛び込めば、全てが終わる。
この苦しさからも、解放される。
早く、早く。
気持ちだけが先走って、体が追いつかない。

螺旋階段をひたすら駆け上る。
流れる涙も、射し込む夕日も全部、無視する。
ここの最上階にある、起動室のスイッチを押して扉を開けて、飛び込めば……。

許されたいよ。
私の罪も、存在も、すべて。
許してほしいよ。
私が「いる」ことが罪なら……。
その穢れごと、すべて消して。
そうしたら、許される?
この涙にも、意味は生まれる?

私がここにいたこと、許してくれる……?

「はぁ、はぁ……」

ようやく、着いた。
震える手を握り締めて、気をしっかり持つ。
白衣のポケットの中から、キーを取り出し、差し込んだ。
ぐるりとまわして、音を聞く。

ガチャ

確実に、近づいてる。
大丈夫。
もうすぐ、私……。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

炉心融解 ~melt down~ 2

続きを……投稿してしまいました!
毎日、「炉心融解」にドップリ浸かる日々でございます。

こんな駄作を読んでいただけたら幸いです。
また、読んでくださった方、感謝感激雨霰です!

閲覧数:325

投稿日:2009/09/30 21:09:54

文字数:517文字

カテゴリ:小説

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